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CESAなど、中古ソフト販売に関する新キャンペーンを展開--“撲滅”から“許諾販売”へ転身

1999年12月14日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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(社)コンピュータエンターテインメントソフトウエア協会(CESA)は14日、中古ソフト販売に関する新キャンペーンを展開すると発表した。キャンペーンの運営主体は、CESA、(社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)、(社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA)の3社。“許諾による中古ソフト販売の正常化の確立”をテーマに、今月から2000年3月にかけて、新聞・雑誌の誌面を使った啓蒙広告、3団体の会員企業を対象とした説明会、シンポジウムの開催などを予定している。

CESA専務理事の渡辺和也氏 CESA専務理事の渡辺和也氏



今回、“許諾による中古ソフト販売の正常化の確立”というテーマを選んだ理由について主催者側は、(1)ソフトメーカーの許諾を得ない中古ソフトの売買を廃止する一連の活動、(2)ゲームソフトを“映画の著作物”としてメーカー側の頒布権を認めた、'99年10月の中古ソフト販売に関する大阪地裁の判決(大阪訴訟)*、(3)今年10月に実施したCESA会員企業に対するアンケートで80パーセント以上の企業が、中古ソフトソフト販売を条件許諾の方向で認めても良いと回答したこと--などを挙げた。

3団体は、'98年1月14日から約半年間“違法中古ソフト撲滅キャンペーン”を展開。新テーマの策定にあたり、旧キャンペーンテーマは“撲滅”という言葉だけが一人歩きし、「中古ソフトそのものがダメ」という印象を消費者に強く与えたと、反省を加えた。CESA知的財産委員会委員長とACCS理事を兼任する浅田安彦氏は、これを振り返り、「我々が目指したのは、無許諾の中古ソフト販売の撲滅。中古ソフト自体を撲滅する主張は、過去に一度も行なっていない」と強調した。

一方新テーマ選定の意図についてACCS専務理事の久保田裕氏は、大阪訴訟*に中古ゲームソフト市場自体の消滅を危惧する声を多く聞くようになったことから、3団体が目指すところである、許諾付き販売に関する国民の認識を深める必要があるとした。

*中古ソフト販売をめぐる訴訟は、5月の東京地裁では販売店側の、10月の大阪地裁ではゲームメーカー側の主張を認める判決が出ており、どちらも高裁で引き続き争っている

左から、CESA知的財産委員会委員長とACCS理事を兼任する浅田安彦氏、ACCS専務理事の久保田裕氏。浅田氏はナムコの常務取締役
左から、CESA知的財産委員会委員長とACCS理事を兼任する浅田安彦氏、ACCS専務理事の久保田裕氏。浅田氏はナムコの常務取締役



なお、許諾付き中古ソフト販売に関するビジネスモデルの策定は各々のメーカーが主体であり、キャンペーン主催者側が業界側にそれを提示・指導するといった立場を採ることはないという。(株)ナムコの常務取締役である浅田氏は、「ナムコも許諾付きの中古販売を行なう用意がある。しかし、(株)エニックスや(株)コーエーのビジネスモデルが参考になるかというと、決してそうではない。シミュレーション、RPG、アクションといった、各社のソフトの内容に合わせたビジネスモデルがでてくるのではないか」と語った。

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