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三洋電機(株)、(株)日立製作所、富士通(株)、独インフィニオンテクノロジーズ社の4社は9日、都内で、携帯電話機・PHSに音楽を配信するシステム“ケータイ
de ミュージック”の技術規格を発表した。また、実際にPHSにスピーカーを接続し、音楽を演奏するデモも公開された。
同規格は、三洋電機、日立、富士通の3社が共同で開発した汎用コンテンツ保護技術“UDAC-MB”*ベースの規格という。これは、“セキュリーティーガイドライン”と、3つの技術規格、“プロトコル制御”、“セキュア・マルチメディアカード(以下セキュアMMC)規格”、“ダウンロード・再生システム規格”から構成される。
*UDAC-MB:Universal Distribution with Access
Control - Media Base。コンテンツをセキュアMMCなどに配信し、ユーザー間でやりとりする状況において、合法的コピーおよび合法的再生を実現するコンテンツ保護技術のこと。
同規格を利用した携帯電話事業者のサービスにより、利用者は、同規格に基づいて開発された携帯電話機・PHSを用いて、好みの音楽を簡単な操作でセキュアMMCに記録でき、聴くことができるという。携帯電話機は、電話機能、音楽ダウンロード機能、CD並みの音質のポータブルオーディオプレーヤー機能を兼ね備えたものになるとしている。
三洋電機執行役員、研究開発本部長の寺田房夫氏は、「著作権の保護が鍵であり、携帯電話は個人がそれぞれ所有するものなので、うってつけの機器である」、「だからといって携帯電話本体の機能が損なわれては意味がない」、「(プレーヤー機能は)最低でも10時間(の連続再生時間が)必要だろう」と述べた。
発表の際に公開されたデモでは、PHSの右下横面にセキュアMMCを装着し、PHSに接続したスピーカーから、ゴダイゴの“JAVA
WA JAVA”が演奏された。
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暗号化された音楽などのコンテンツは、携帯電話機に直接ダウンロードする方法、携帯電話同士でのコピー、CD-ROMでの配布、レコード店などに設置されたKIOSK端末からのセキュアMMCへのダウンロードなどの方法で配布することが検討されているという。
セキュアMMCにコンテンツをコピーしただけでは音楽を聴くことはできず、暗号化を解除するための再生ライセンスキーを携帯電話機を用いて入手し、暗号解除することではじめて聴くことができるようになる。コンテンツは、携帯電話に内蔵したデコーダチップでのみ再生できることで、コンテンツの不正利用を防止できるとしている。コンテンツは、対称鍵暗号法を用いて暗号化され、再生ライセンスキーは、公開鍵暗号法を用いて暗号化され配信されるという。
課金については、携帯電話で再生ライセンスキーを入手した段階で課金されるという。なお、金額については未定としている。
また、ダウンロードした音楽の再生可能回数やコピー回数について設定することも可能という。不正利用が発見されたデコーダチップないしはセキュアMMCのダウンロードやコピー、再生の禁止もできるとしている。
セキュアMMCは、インフィニオンテクノロジーズが開発したMMCの規格を拡張したもので、SDMI*フェーズI準拠のセキュリティー機能を搭載し、従来のMMCとも互換性があるという。また、KIOSK端末から高速にダウンロードできるように端子が6ピン追加されている。これにより60分程度のデータを約3秒でダウンロードすることができるという。
*SDMI:Secure Digital Music Initiative。デジタル音楽の不正コピーを防止する技術仕様を取りまとめるための団体。
日立、半導体グループ事業企画統括本部長の小切間正彦氏は、「2000年第2四半期には16MBの製品、2000年下半期には32MBと64MBの製品を出荷する予定」と語った。さらに2001年には128MBの製品も計画されているという。
メモリーの価格について、富士通の常務取締役企画本部長の吉岡義朗氏は「競争力のある価格でとお願いしている」と語った。
携帯電話事業者やコンテンツホルダーとの話は進んでいるのかという質問に対して、三洋電機の寺田房夫氏は、「今のところキャリアーについて特定していない。(キャリアーと)話はしている。国内外問わず話を進めていきたい」、「コンテンツホルダーへの働きかけはいろいろ現在行なっているが、具体的なことはまだ言えない」と語った。
