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【京都合宿セミナー Vol.1】本願寺で朝までひざ詰めの話し合い――“情報革命の衝撃:台頭する21世紀型ベンチャーとNPO”より

1999年12月09日 00時00分更新

文● 野々下裕子

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100名を大幅に越える参加者が集結

3日、京都を舞台になんともユニークなセミナーが開催された。タイトルは、『情報革命の衝撃:台頭する21世紀型ベンチャーとNPO』。NPO研究フォーラム、関西ベンチャービジネス研究会、日本サスティナブルコミュニティセンターという、3つの団体がほとんど横並びで共催、運営している。そういうスタイルも珍しいが、なんといっても会場に使われているのが京都の本願寺で、しかも合宿形式で朝まで続くというのである。

会場となった本願寺の聞法会館。宿泊施設をはじめホールなども整ったホテル並の施設。1Fにはホームページが見られる端末もあった
会場となった本願寺の聞法会館。宿泊施設をはじめホールなども整ったホテル並の施設。1Fにはホームページが見られる端末もあった



共催団体の1つ、日本サスティナブルコミュニティセンター(SCCJapan)事務局長の浅野令子氏。オンラインでオフラインで精力的な活動で会の運営をひっぱっていった立役者でもある。浅野氏は以前に合宿形式のセミナーに参加しており、その時の経験が今回活かされている
共催団体の1つ、日本サスティナブルコミュニティセンター(SCCJapan)事務局長の浅野令子氏。オンラインでオフラインで精力的な活動で会の運営をひっぱっていった立役者でもある。浅野氏は以前に合宿形式のセミナーに参加しており、その時の経験が今回活かされている



自己紹介がわりに参加者らが壁に名刺を貼れるようにしてある。休憩の合間に人だかりが
自己紹介がわりに参加者らが壁に名刺を貼れるようにしてある。休憩の合間に人だかりが



共催者の打合せは、すべてネット上で

開催前にあたって、セミナーの実行委員長である、同志社大学大学院総合政策科学研究科の新川達郎教授に、今回の開催主旨などについてコメントをもらった。

開会前のあいさつをする新川達郎教授
開会前のあいさつをする新川達郎教授



「今回の京都合宿セミナーの計画そのものは夏ごろに持ち上がり、実際には9月頃から準備作業に入りました。ベンチャービジネスの話をするのに、何かいい形はないだろうかと思い、そこで考えたのが人同士の交流というものでした。そこで、3団体が共催しようとなったのです」

「各団体から選ばれた委員が30名ほどいて、そのメンバーが中心となって運営内容を詰めていきました。メンバーはそれぞれ忙しい方ばかりですし、住んでいるところもばらばらですから、打合せについては講師の方々も含めて、すべてネット上で行なわれました。また、セミナー当日も一部、資料を配布しましたが、基本的には、ネット上に上げた資料を読んで参加してください、とお願いしました。結局、100名を大幅に越える参加者の方に集まっていただけました」

あえて京都で開催する理由

このようなNPO団体のセミナーといえば、東京方面ではけっこう行なわれている。今回、あえて京都で開催する理由があったのかを新川教授に訊ねてみた。

「東京でこういう集まりをすると、1つの団体で今回の規模ぐらいになってしまうのです。それはそれで厚みがあるものになり、意味のあることなのでしょうが、今回はあくまで3つの団体が協調して1つのセミナーを運営するという大きな目標がありました。共催することによって、さまざまな立場の人達が、いつもとは違う意見を聞けるようにしたかったのです。朝までひざ詰めで話す、というスタイルにしたのもそのためです」

「また、京都という土地を選んだのは、私をはじめ運営メンバーに京都在住者がいたというのもありますが、コンパクトで多様性を持った街だからというのがあります。開催資料にも書いたのですが、ひざを突きあわせてとことん話し合うというテーマに、京都という街の規模や雰囲気がぴったり合うと感じたのです。また、わざわざ遠くから足を運んでもらう上でも、京都という街の魅力が作用したと思います。さらに今回は、会場提供ということで、本願寺の方々にご協力いただけたのも大きな要因でした」

「結果的に、講師の方々や手伝ってくれたボランティアの方々、そして学生達も含めて、本当にいろいろなところから、いろいろな方達に集まっていただけて、京都を会場にしてよかったと思っています。この会そのものは、今回が第一回目で、これからも続けていきますので、今後の展開にも期待してください」

新川教授が語るとおり、今回の合宿セミナーは多くの参加者によって、多様な側面を持つことになった。キーワードはベンチャービジネスであったが、運営側の狙いどおり、ビジネスモデルの話にとどまらず、次世代型の組織としてのNPOや、魅力的な社会モデル、組織モデルといった、ネットワーク社会そのものについて、話が拡がっていった。

第一部のセミナーでどのような話が行なわれたのかについては、Vol.2の記事で紹介する。

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