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東芝エンジニアリングとリーズニング、インターネットを利用したソフト検査サービスを開始

1999年12月02日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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東芝エンジニアリングとリーズニング・ソフトウェア(株)は12月2日、インターネットを利用したソフトウェア検査サービス“Web-based SQI”を開始する、と発表した。インターネット経由でソフト開発会社からソースコードを受け取り、バグや欠陥を検査して洗い出すサービスで、開発会社が自ら検査する時間と手間を短縮できるため、コストとリードタイム削減につながるという。

都内で開かれた発表会
都内で開かれた発表会



Web-based SQIは、インターネットを介して受け取った、ソフトウェアのソースコードを検査し、発見した不具合を報告する第三者検証サービス。ソフトウェア開発会社は、評価を希望するソフトウェアのソースコードを、インターネットで検査センターに送信。センターでは受け取ったソースコードを自動的にチェックを開始。動作に支障を来たす可能性があるバグや欠陥を洗い出し、開発会社にウェブベースの報告書とともに返却する。

サービスの対象となる言語はCOBOL、C、C++。米リーズニング社が開発した自動検査システムを使用し、算術やインターフェース、制御フロー、コーディングスタイルなどについて、欠陥の有無を1行ごとに検証。問題が見つかると、どの行にどんな誤りがあるか、このまま実行するとどんな不具合が発生するかを指摘する報告書を作成する。検査システムには、リーズニング社がこれまでのサービスで発見したバグや不具合の例が蓄積されており、実績に基づいた高精度な検査が可能になっているという。対象言語は今後増やす方針で、来年にはJavaに対応するという。

ソースコードを外部に出したがらない企業に対し、機材を持ち込んで検査を行なうオンサイトサービスも用意される。料金はサービス形態によって異なるが、スポット契約の場合、1行につき10~20円程度になるという。

リーズニングはシステムのライセンス提供と技術支援を行ない、実際の業務は東芝エンジニアリングが担当する。検査センターは当面、米国内のセンターを利用するが、「言語方言など日本固有の技術的問題がある」ため、2000年4月には日本国内にセンターを開設する予定。両社はすでに同様のシステムを使って2000年問題対応のアウトソーシングサービスを手掛けており、(株)野村総合研究所や(株)ナイキジャパンら10数社、約3000万行を検証。「人間が検証する場合に比べ、コスト、スピードとも優れ、かつ正確な検証結果が得られた」「第三者による検証終了を社外に表明することができた」といった評価を受けたという。

発表会で、リーズニングの米本社社長兼CEOのデーブ・ジョーンズ(David M.Jones)氏は、「電子商取引など、インターネットにおけるトランザクションが増えれば増えるほど、ソフトウェアの欠陥によるシステムダウンの影響は深刻なものになる。とはいえ企業では、品質評価専門のプログラマーは不足している上、人の手で検査できる範囲は限られている。新サービスでは、昼間に作成したソースコードを夜間に検査し、朝には報告書付きで受け取る、といったことも可能になる」と語った。

「リーズニングは2000年問題で10万件、5億行の検査を行なってきた。結果を蓄積し、検査システムは継続的に精度が高くなっていく」と語るジョーンズ氏 「リーズニングは2000年問題で10万件、5億行の検査を行なってきた。結果を蓄積し、検査システムは継続的に精度が高くなっていく」と語るジョーンズ氏



また東芝エンジニアリングの取締役でコンピュータ&サポート本部長の土肥健一氏は、「ソフトウェア検査を専門としたアウトソーシングサービスは国内では我々が初めてとなる。ツールを使用する場合に比べ、ツール操作の習熟やメンテナンスで検査精度が左右されることもなく、人手も時間も省ける」と新サービスのメリットを強調した。

「2000年問題対応では、コストとスピード、精度とも顧客から大きな評価を頂いた」と話す土肥氏 「2000年問題対応では、コストとスピード、精度とも顧客から大きな評価を頂いた」と話す土肥氏

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