このページの本文へ

日本HP、仮想店舗運営の製品&サービス群“HPクイック・マーチャント・ソリューション”に関する記者説明会を開催

1999年11月16日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本ヒューレット・パッカード(株)は16日、“HPクイック・マーチャント・ソリューション”の記者説明会を開催した。これは、同社が今春に打ち出した次世代における電子商取引の枠組み“E-Services”の一環として、11月10日に発表した事業。仮想店舗経営者を対象として、ハード・ソフトの販売から、代金回収・商品の搬送といったモジュールの販売、システムの設置・保守サービス、各種のコンサルティングを行なう。サービスに伴う実際の作業は、HPとその関連企業、およびパートナー企業が手掛ける。発売はすべて2000年の1月5日。



“HPクイック・マーチャント・ソリューション”の主なターゲットは、オンラインショッピングモールや月数100万円の売上を経常する仮想店舗を運営する中規模事業者。同社は、事業の狙いについて、「ホームページは作ったものの、仮想店舗となるとあと一歩踏み出せないという事業者が多く存在する」ためとしている。そういった事業者に対し、仮想店舗・モールの構築・運営のために必要な、機材やサービスなどを総合的に提供するという。

プラットフォームはマイクロソフト製品

これを受け、同社が“HPクイック・マーチャント・ソリューション”で採用した仮想店舗システムのプラットフォームは、サーバーソフトとしてマイクロソフト社の『Microsoft Windows NT Server 4.0』と『Microsoft SQL Server 7.0』を採用、電子商取引システム用ソフトとしてやはりマイクロソフトの『Microsoft Site Server 3.0 Commerce Edition』を採用している。

マイクロソフト(株)が今年10月、電子商取引分野で、SI、金融、物流など各種事業に取り組む各企業との間で、“Complete Commerce Alliance(CCA)”と呼ぶパートナーシップを締結すると発表したが、日本HPもその加盟企業の1つ。今回発表した“HPクイック・マーチャント・ソリューション”を、CCAの活動に基づく事業と位置づけている。そのため、上に挙げたマイクロソフト製品と競合する製品の販売は、同事業では行なわないという。

セブン-イレブン店頭での代金収納代行サービスに対応した決済モジュール

今回採用する決済システムは、(1)セブン-イレブン店頭での代金収納代行サービス、(2)郵貯自動引き落としサービス、(3)クレジットカード決済の3つ。仮想店舗経営者は、この中から決済方法を選択し、HPはそれに応じた決済モジュールを開発し、提供するという。

コンビニ決済への対応は、“HPクイック・マーチャント・ソリューション”の特徴の1つとなっており、同社は、「日本では、クレジットカードの番号を入力することに対し、一般的に抵抗があるようだ。また、クレジットカード自体の契約が18歳以上に限られているため、その下の層の需要を逃してしまっている。このことから、(株)セブン-イレブン・ジャパンが今月24日から本格稼働する、コンビニ店頭での代金収納代行に対応したシステムが、大本名と思われる」と語った。

記者説明会に参加したきゃぴてるの長谷川徹社長
記者説明会に参加したきゃぴてるの長谷川徹社長



なお、この事業で採用した郵貯自動引き落としサービスは、電子商取引に関して特に決済システムの開発を手掛ける(株)きゃぴてるの“CAPION(キャピオン)”のもの。同システムと契約した消費者は、注文した商品を受け取った後、代金の引落日が同社から通知され、郵便貯金の口座から代金が自動引落されるというシステム。今年9月にスタートしたばかり。

日本HPは、“HPクイック・マーチャント・ソリューション”のもう1つの特徴として、ヤマト運輸(株)、日本通運(株)など運送会社4社のシステムに対応した、物流モジュールの開発と提供をあげている。これは、配送先のリストを、運送会社各社の配送伝票に対応したデザインで、仮想店舗経営者側に設置したプリンターから印刷できるというもの。ただし、現時点では、運送会社各社とオンラインで接続し配送の依頼まで自動化する、ところまでは対応していない。

各製品、サービスの価格は、すべて個別見積もりとなっている。価格の1例として、小規模構成パッケージの場合、小・中規模オフィス向けサーバー『HP Net Server E60』、DATドライブ『HP SureStore DAT8i』などのハードウェアと、プラットフォーム用のマイクロソフト製品、無停電電源装置、システム設置サービスなどを含み、価格は500万円(1月末までキャンペーン価格の300万円で提供するという)。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン