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日本オラクル、インターネット対応のモバイルプラットフォーム製品を発売

1999年11月08日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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日本オラクル(株)は、インターネット対応アプリケーションをネットワーク接続時/非接続時で利用できるモバイル向けプラットフォーム製品『Oracle8i Lite Release4.0』を発表した。Windows 95/98/NT対応版は11月26日に、Windows CE対応版は2000年2月に発売する。価格は1ライセンス3万9000円から。


Oracle8i Liteは、『Oracle Lite』、『Web-to-go』、『iConnect』の3つのコンポーネントで構成される。

Oracle Lite Release4.0は、既存の軽量リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)『Oracle Lite Release3.5』の後継バージョン。新たにWindows CEに対応するほか、大量のデータをロード/アンロードできるツール“olload”、テキストデータを自動的に圧縮してデータベースに格納できる“データ自動圧縮”機能を搭載する。

Web-to-goは、今回のバージョンから追加された新機能で、オフライン状態でもインターネットアプリケーションを利用できるコンポーネント。オンライン状態で企業内のウェブサーバーにアクセスできる。その後ネットワークが切断され、オフライン状態になると、Oracle Liteに格納されたインターネットアプリケーションおよびデータをロードし、ウェブブラウザーに表示する。これにより、オフライン状態でも、オンライン時と同様のアプリケーションの操作が可能となる。オフライン状態でデータを入力すると、再度ネットワークにアクセスした際に、サーバー上のデータに反映される仕組みとなっている。

iConnectは、Oracle LiteとOracle8iとの双方向のデータ連携を行なうコンポーネント。モバイル通信用ミドルウェア『Oracle Mobile Agents』を統合している。

Oracle Lite、Web-to-go、iConnectの3コンポーネントを利用してインターネットモバイルコンピューティングを実現できるほか、Oracle LiteとiConnectで既存システムとのデータ連携、Oracle Lite単体でも組込アプリケーションとして利用できるという。

また同社は、今後の連携製品として、既存のインターネットアプリケーションをワイヤレスデバイスに対応させるためのモバイルツール『Portal-to-go』を開発中で、数ヵ月後には正式にリリースするとしている。

同社マーケティング統括本部システム製品統括部バイスプレジデントの佐藤聡俊氏は、「Oracle8i Liteは、インターネットアプリケーションとデータを、オフライン状態のモバイル環境でも、オンライン時と同じように利用できるプラットフォーム。エントリーレベルからエンタープライズレベルのシステムを柔軟に構築できる製品。モバイル用のシステムを最初から構築する必要がないため、システム開発期間が短縮でき、システム運用コストも削減できる。われわれは、データ連携や小型携帯情報端末への対応はもちろん、インターネットコンピューティング市場やポータル市場に注力をおいて事業を展開していく」としている。

また、同社代表取締役社長の佐野力氏は、米連邦地裁の判事が11月5日(現地時間)、米司法省/米19州司法当局と米マイクロソフト社の間で争われている独占禁止法裁判において、米マイクロソフトの“独占”を認定した件について触れ、「ポイントは、あの会社の競争を排除するビジネスのやり方が否定されたことだ。彼らが行なったことは自由な競争社会での不法行為であり、不法行為で儲けた金は公共のものに返していただきたいものだ。今後は、いびつな形になってしまった市場を正しい形に持っていきたい」とコメントした。

佐野力社長(右)と佐藤聡俊バイスプレジデント(左)
佐野力社長(右)と佐藤聡俊バイスプレジデント(左)

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