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SASジャパン、ウェブにアクセスする顧客のデータを分析する電子商取引CRMサービス“e-intelligence”を発表

1999年11月08日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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(株)サスインスティチュートジャパンは、電子商取引において、ウェブにアクセスする顧客のデータの収集・分析から、よりアクセスしやすいウェブのデザインまで一貫して手掛けるサービス“e-intelligence”を発表した。また同社’99年度('98年12月~'99年11月)の業績予測を発表、売上は前年度比約10パーセントアップの40億円との見込みを示した。

e-intelligenceは、同社のキャパシティープランニングソフト『IT Service Vision』や、データマイニングソフト『Enterprise Miner』といった、すでに企業向けに実績があるソフトとコンサルティングを組み合わせ、電子商取引におけるカスタマーリレーションシップマネージメント(CRM)を実現するサービス。同サービスは(1)ウェブパフォーマンス、(2)ウェブサイトデザイン、(3)ウェブマイニング、の3つのプロセスに分かれる。

まずウェブパフォーマンスでは、電子商取引サイトを担うサーバーの能力を分析する。必要なキャパシティーの予測から、サーバーの能力診断や現在のアクセス量分析を行ない、サイトの規模に合わせ大量のアクセスにも耐えうるサーバーの構築に役立てる。

次のウェブサイトデザインでは、顧客のアクセスログを集計する。どのページで顧客が別のサイトにジャンプしてしまったのか、といった顧客の軌跡(同社は“クリックストリーム”と呼ぶ)を分析、予想することで、ウェブやサイト全体のデザイン改善を手助けする。

ウェブマイニングは、アクセスログを分析することで、新たな顧客の獲得を探るプロセス。なぜこの顧客は別のサイトに飛んでしまったのか、ウェブのデザインを変更したらどんな行動をとるか、といった分析を通じ、サイトやビジネスモデルの問題点を発見。業績拡大への戦略練り直しに役立てることができるという。

「主要なCRMプロバイダーとして、社内でも顧客向けCRMを積極的に導入していく」と語るフェンダー社長 「主要なCRMプロバイダーとして、社内でも顧客向けCRMを積極的に導入していく」と語るフェンダー社長



発表会では、同社社長のデイヴィット・フェンダー(David C.Fender)氏が、同社の'99年度の業績について発表。売上は約40億円と前年度比10パーセント伸びたことを報告しながら、「11月中にもまとまりそうな2つの契約を含むと、50億円を超えるだろう」と語った。

アンダーセンコンサルティング(株)から就任した百瀬筆頭副社長 アンダーセンコンサルティング(株)から就任した百瀬筆頭副社長



また今年5月に同社筆頭副社長に就任した百瀬公朗氏は、2000年度の業績予測と戦略について語った。百瀬氏は「2000年問題が終われば、企業が控えていたIT投資が再び増える」として、来年度の売上を'99年度比50パーセント増の60億円と予測。また「各企業のコールセンターなどの情報が集まってくるのが来年度以降」として、データウェアハウスやe-intelligenceなどを軸としたCRMサービス提供を主力としていくという。

2000年度第4四半期には同社の基幹システムであるSASシステムのバージョン8がリリースされる予定で、新バージョンではブラウザーからデータベースにアクセスできるようにしたクライアントフリーの設計がなされているという。百瀬氏は「クライアントにSASシステムを導入しなくてもいいということで、SASの歴史の上では画期的なこと。SASは今後、クライアントフリーのサーバーベースに移行していく」とした。

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