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11月5日、米ユニシス本社前でGIFを燃やす?――ウエブサイトからのGIF特許料徴収に対する抗議運動

1999年11月04日 00時00分更新

文● 編集部 山本誠志

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現在、ウェブコンテンツの素材として広く利用されているGIF画像ファイルは、画像圧縮アルゴリズムとして、米ユニシス社が特許を持つ“LZW”(Lempel Ziv Welch)を利用している。同社は以前から、GIFフォーマット(LZWアルゴリズム)を扱うソフトウェアの製作者に対し、特許料の支払いを求めてきた。そして最近になって、LZW特許を侵害しているソフトウェアをウェブサイトで使用している場合は、サイト運用者から特許料を徴収する意向を明らかにした。

このような米ユニシスの動きに対して反発する動きが、今年の8月以降、世界中に広がっている。その多くは、GIFファイルの使用を中止し、PNG(Portable Network Graphics)を始めとするGIF以外のファイルフォーマットに変換するよう働きかけるものだ。

GIFフォーマットは、'87年に米CompuServe社が発表した画像データの規格。同社が運営するパソコン通信サービス“CompuServe”上での使用を目的としていた。その後、GIFフォーマットは、ウェブブラウザーの対応などによって、世界中に普及していった。

そして'93年、米ユニシスは突如として、LZWアルゴリズムに関する特許料を米CompuServeに対して請求することを明らかにした。翌'94年には、米CompuServeが特許料を支払うことで合意。現在では、GIFを扱うすべてのソフトウェア(フリーソフトを含む)の製作者は、LZWアルゴリズムに関する特許契約を、米ユニシスと結ばなくてはならない。

米ユニシスは、さらに特許料の徴収を確実なものとするため、ソフトウェア製作者からだけでなく、ソフトの利用者であるウェブサイトから特許料を徴収しようと考えるに至った。同社がサイト運営者から徴収する特許使用料の金額は、一律5000ドル(約50万円)。

同社のこのような意向を知ったEric S. Raymond氏(エリック・S・レイモンド: Open Source Initiativeメンバー)は、同社に対する抗議運動を計画しており、現在、広く参加者を募集している。

彼の計画では、米ユニシス本社前でGIFファイルのプリントアウトを“燃やす”ことで、同社に対する抗議の意を示そうというもの。この抗議運動の決行日は11月5日を予定しており、ウェブサイト“Burn All GIFs Day”を通して、世界中に参加を呼びかけている。

Burn All GIFs Dayのサイトでは、カリフォルニアに位置するユニシス本社までの交通アクセスなどが詳しく説明されている。「ユニシスのビルや駐車場などの私有不動産に立ち入らないように」、「身体障害者用の駐車場には、駐車しないように」といった細かい注意事項も示されている。

ただ、Raymond氏自身もウェブサイト上で言及しているように、道路などで物を燃やすことは違法である。したがって彼は、プリントアウトの上に赤いクレヨン(またはマーカー)で炎の絵を描き、それでGIFを“燃やした”ことにするのだという。

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