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沖電気工業、電話やデータ通信をIPネットワーク上でシームレスに運用するシステム『IPstage』を発表

1999年10月25日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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沖電気工業(株)は、電話やデータ通信をIP(インターネットプロトコル)ベースのLAN上でシームレスに運用するシステム『IPstage(アイピーステージ)』を発表した。企業などにおける構内通信のすべてをLANに統合することで、顧客情報の活用など、電話とPCとの連動がスムーズになるほか、電話回線とLANが併存した場合と比べて維持管理コストの削減が図れるという。

IPstageの要となる『コミュニケーションコントロールユニット(CCU)』
IPstageの要となる『コミュニケーションコントロールユニット(CCU)』



システムは、システム制御用のサーバー『コミュニケーションコントロールユニット(CCU)』と、電話回線や専用線との接続を行なう『ラインユニット(LU)』、10BASE-T/100BASE-TXのLAN接続が可能なIP電話機『マルチ・キーテレホンIP』、LANに接続しファクスや一般の電話機を接続できるターミナルアダプター『VoIP-TA』とPCで構成される。

インターネット電話『マルチ・キーテレホンIP』
インターネット電話『マルチ・キーテレホンIP』



CCUはイントラネット上での音声通信を受け持ち、国際電気通信連合(ITU)が定めたLAN上で音声、動画像、データをやり取りする際のプロトコル『ITU-T H.323』に対応。LUは専用線や通常のアナログ回線とイントラネットとの接続を行なう。マルチ・キーテレホンIPはLANに接続され、いわゆるインターネット電話として機能する。PCはマルチ・キーテレホンIPが備える10BASE-T/100BASE-TXポートを介して接続。従って、デスクトップ上に引く線はLANケーブル1本で済むという。

このシステムにより、構内電話回線とLANが併存している場合と比べ、回線の維持管理に関わるコストを全体で2~3割削減することができるという。また企業の顧客窓口といったコールセンターに掛かってきた電話を顧客データとともに担当部署に回すシステムなど、これまで高いコストが必要なシステムの構築も比較的容易になる、としている。電話音声の音質は、通常の構内回線を使った通話とほぼ変わらない上、本社-支社間といったWAN通信の際には音声データを圧縮して通信が行なわれるため、通信費用を抑えることができるという。

出荷は1月中旬を予定。価格はCCUが1台85万円、マルチ・キーテレホンIPが1台5万円などで、電話機72台と公衆回線16回線を使ったモデルシステムの価格が570万円となっている。

発表会では、同社専務取締役の榊靖夫氏が、「情報や通信、データ、音声ともIPネットワークへ統合されつつある。IPstageは構内回線における音声と動画像、データ通信の融合を図るもの。沖電気では、ネットワーク社会とネットワークインフラを結ぶ“ネットワークブリッジ”の提供を進めていく」と語った。

同社では、IPstageの販売目標を2000年度では900セット、25億円としており、2002年度には1万セット、180億円を目指している。

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