このページの本文へ

ヤマハとデジタル書道協会が渋谷で“夢 ART 音 '99”を26日から開催

1999年10月25日 00時00分更新

文● 若菜麻里

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ヤマハ(株)の電子楽器事業部企画室ウェブマーケティンググループと、プロの書道家らで構成され任意団体のデジタル書道協会は、東京都渋谷区のヤマハ渋谷店で、デジタル書道と音楽をコラボレートしたイベント“夢 ART 音 '99 ~音と書のSYNCHRONISM~”を開催した。

デジタル書道とは、筆文字や線画をスキャナーで読み込んでデジタル化し、文字や背景にグラフィック処理を加えて独自のアートを楽しむというものだ。

出展作家の1人である山本ISO氏のデジタル書道作品
出展作家の1人である山本ISO氏のデジタル書道作品



今回展示されるのは、5人のデジタル書道作家によるそれぞれ作品に対し、英ヤマハ社のミュージシャンがその作品をイメージしながらMIDI音源の電子音楽を作曲して、デジタル書道に音楽を追加したもの。来場者はパソコン上で書道と音楽が同時に楽しめるという趣だ。

1人の作家につき、書道は4~5作品が展示されている。数秒で画面が自動的に切り替わり、ヘッドホンで音楽も楽しめる1人の作家につき、書道は4~5作品が展示されている。数秒で画面が自動的に切り替わり、ヘッドホンで音楽も楽しめる



デジタル書道協会は'98年3月に設立した団体で、書道家やデザイナーなどが会員だ。書道の普及拡大を目的に、情報やイベント、デジタル筆文字などのコンテンツの提供を行なっている。

ヤマハと同協会が共催することになったきっかけは、同協会会長の鈴木富士子氏が今年5月にヤマハのデジタルサウンドを耳にしたときに、「最先端の技術は、人間のエモーションや感情をリアルに表現することに焦点が当てられている。それが、われわれがやろうとしている、筆文字が持っている“にじみ”や“かすれ”をベースにしたデジタル書道とシンクロするのではないかと考えた」(鈴木氏)ことからだという。

ヤマハでは、2年前よりウェブ上で、サウンド付きのグリーティングカード作成サービス“midmail”を無償で提供しており、鈴木氏は「デジタル書道協会の筆文字をそれに使ってもらえないかとヤマハに打診したところ、非常におもしろいということになり、今回展示会を開くことになった」としている。

デジタル書道協会会員の各氏。向かって右から、鈴木蕉風氏、山本ISO氏、小野佳風氏、高橋晋氏、村岡景子氏、菊池光道氏
デジタル書道協会会員の各氏。向かって右から、鈴木蕉風氏、山本ISO氏、小野佳風氏、高橋晋氏、村岡景子氏、菊池光道氏



開催前日の25日は、プレスや関係者らを招いて展示会の趣旨や作家の紹介が行なわれた。また、同協会の高橋晋氏が制作したデジタル書道と、3Dグラフィックスを組み合わせたオープニングムービーが、氏家克典氏((株)アイデックス代表/作曲家)の生演奏による、尺八の音などを取り入れた環境音楽風サウンドとともに披露された。

「デジタル書道はトラディショナルな中にも躍動感があり、感性をくすぐる芸術だ」と氏家氏
「デジタル書道はトラディショナルな中にも躍動感があり、感性をくすぐる芸術だ」と氏家氏



デジタル書道やMIDI音楽が紹介された後、司会を担当したヤマハの電子楽器事業部企画室ウェブマーケティンググループの長谷川豊氏は、「電子音楽は邪道という声がある。しかしデジタルテクノロジーが進化し、より自由な表現が可能になったことで、デジタル、アナログに関わらず、アーティストが自分の感性をぶつければ、それはストレートに伝わってくるものだというのが、実際にわかっていただけたと思う」と説明している。

デジタル書道においても、書道のうまい下手というよりは、自分のドローイングを楽しむ傾向があるという。デジタル音楽とデジタル書道の組み合わせで、不思議とリラックスできる作品として仕上がっているので、ぜひ足を運んでみてほしい。

なお、“夢 ART 音 '99 ~音と書のSYNCHRONISM~”開催概要は次の通り。

日時:10月26日~10月29日(11:00~19:00)
会場:LIVE at ART(ヤマハ渋谷店内ライブスペース)
東京都渋谷区道玄坂2-10-7 1F
入場料:無料
出展作家:
菊池光道(書道家/本名 菊池良和)
山本ISO(書道家/本名 山本好美)
小野佳風(書道家/本名 小野佳乃)
鈴木蕉風(デジタル書道協会代表/本名 鈴木富士子)
村岡景子(デザイナー)
(敬称略)

会期終了後は、インターネット上で作品が紹介されるという。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン