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コンパック上級副社長エンリコ・ペサトリ氏が“Qフォーラム”で基調講演

1999年10月21日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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コンパックコンピュータ(株)は20~21日の両日、企業担当者向けに同社の“NonStop eBusiness”の事業展開や技術を説明する“Qフォーラム”を開催した。このフォーラムにおいて21日、米コンパックコンピュータ社上級副社長エンリコ・ペサトリ(Enrico Pesatori)氏が基調講演を行なった。

 米コンパックコンピュータ上級副社長で、エンタープライズソリューション&サービスグループ担当ゼネラルマネージャのエンリコ・ペサトリ氏
米コンパックコンピュータ上級副社長で、エンタープライズソリューション&サービスグループ担当ゼネラルマネージャのエンリコ・ペサトリ氏



ペサトリ氏は'97年8月にコンパックが買収した米タンデムコンピューターズ社の社長で、買収に伴ってコンパックに加わっている。タンデムコンピュータ入社前は、米デジタルイクイップメント社(現コンパック)、米Zenith Data Systems社、北米オリベッティ社などに在籍していた。

基調講演でエンリコ氏は、「日本がIT市場において世界第2位の市場規模を持つ重要な市場であり、コンパックとしても引き続き注力していく」と述べた。

次に、コンパックの'99年前期の売上比率を上げ、エンタプライズコンピューティング分野(サービスを含む)からの比率が53パーセントと過半に達し、コマーシャルPC分野の33パーセント、コンスーマー市場の14パーセントを大きく上回り、eBusiness市場が同社にとって、いかに重要であるかをアピールした。なお、日本においても売り上げの65パーセントがエンタープライズビジネスに関するものになっているという。

ペサトリ氏は、インターネットアクセス人口の伸びや,e-Commerce市場の今後の爆発的な伸びを示す資料を示し、「過去においては顧客からの何らかの接触/アクセスがあった場合の対応では、レイテンシー(遅延)が大きな状態であったが、インターネットとe-Commerceの普及により、このレイテンシーは徐々に減少し、将来は“ゼロレイテンシー”という状態になる」と述べた。

その上で、「このような状況下では、企業は顧客に対する窓口を常にオープンにし、顧客がいつでも企業に接触/アクセスできる状態にしておかなくてはならない」と述べた。これは「インターネットが時間と空間を越え、顧客がいつ情報を求めてアクセスしてくるか予想ができなくなっている」ことによる。このような(顧客に対して常にオープンしている)環境を指して同社ではNonStop eBusinessと呼んでいる。

「以前は新サービスや新製品を発表するということであれば、およそどのくらいの人が来るのかということの予測がついたが、インターネット上で発表することを考えると、いったい1000ユーザーが来るのか、5万ユーザーが来るのか、といったことは全く予測できない。こういった場合、(多くのユーザーが訪れたからといって)システムがダウンすることは許されず、しかも(e-commerceを考えると)セキュアーな状態でアクセスできる必要も生じる」とし、NonStop eBusinessの必要性をアピールした。

さらに、これからのウェブのあり方について言及した。「企業イメージにおけるウェブページの占める割合は増大し、重要な意味を持つようになってくる。製品であれ、企業の価値であれ、ウェブページで顧客にどのように伝えていくのかが重要になってくる。(顧客は)ここで企業がどのくらい魅力的にサービスや製品をアピールしているかを見て、取り引きするかどうかを判断するようになってきている。この場合、競争相手はクリックしたすぐ先にいることになる」

コンパックのエンタープライズビジネスにおける実績については、「インターネットサービスプロバイダー市場で、コンパック製品のシェアが28パーセントになるなど延びており、トップシェア(31パーセント)を持つサン・マイクロシステムズにあと2年で追いつく」「10のインターネットサーチエンジンのうち、8までがコンパックのシステムを導入している」などと述べた。また、日本での導入実績について、佐川急便に荷物のトラッキングシステムとして『NonStop Himalaya』を納入したことや、KDDコミュニケーションズとの“MilliCent”関連の協業、丸善のインターネットブックストアシステム、NTTデータのアンサーシステムのインターネット化支援、などを挙げた。

最後にペサトリ氏は「ビジネスクリティカルであるためにはノンストップでなくてはならず、そのためにはコンパックでなくてはならない」と述べて基調講演を締めくくった。

基調講演後、記者を対象に質疑応答が行なわれた。Windows 2000のサポートがうち切られたことが伝えられた、AlphaプラットフォームにおけるOSの展開についての質問には「コンパックコンピュータは、(Windows NTにおいて)インテルサーバーで十分な強みを持っており、今後2、3年を考えてもその強みは確固たるものがある」とした上で、「同じOS環境で、2つのプラットフォームを維持していくことに意味はない」「アルファテクノロジーに対する投資は続行し、OSにはTru64を使い、さらに推進していく。また多くのユーザーがいるVMSに対してもサポートしていく」と答えた。また2年後の投入を目指して現在開発中の、次世代のHimalayaのプラットフォームとしてMIPSに代わりAlphaを採用すると述べた。

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