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ソニー、オーディオ機器としても単独利用可能なAV一体型バイオデスクトップPCを12月に発売

1999年10月21日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ソニー(株)は、デスクトップPCに、オーディオ/ビジュアル機器そのものを取り込んだAV一体型バイオ『PCV-MX1』を12月4日に発売する。

『PCV-MXTV7』
『PCV-MXTV7』



PCV-MX1は、従来のように、AV周辺機器と接続して連携させるのではなく、本体そのものに、MDデッキやFMチューナー、アンプ、DVD-ROMドライブなどを搭載した本格的なAV融合型デスクトップPC。他PCにはない、オーディオや映像関連のさまざまな機能が搭載されている。

DVDプレーヤー機能

カナダのATIテクノロジーズ社のグラフィックアクセラレーター『Rage 128GL』と、米Mediamatics社のソフトウェアデコーダーを組み合わせることで、DVD本来の高画質を再現できる。コマ落ちをなくし、画面上のギザギザをぼかして美しい映像にする補完機能も装備されている。光デジタル出力端子からDolby Digitalを出力できるほか、Sビデオ出力端子を利用して大画面テレビやプロジェクターでもDVD映像を楽しめる。

CDプレーヤー機能

従来のPCが、CD-ROMドライブとサウンドチップの間はアナログ接続であったのに対し、PCV-MX1は、専用のD/Aコンバーターを搭載したことで、内部接続をデジタル化した。これにより、これまでのPCにない高音質を実現するという。

また、編集ソフト『Media Bar Ver.2.1』が、オンラインCDショップサイト“CDNOW JAPAN”と連携しており、CDNOW JAPANに登録されているCD情報から、曲名やジャケット画像などの曲情報をダウンロードできる。ダウンロード用のプロトコロルはソニーが開発。他のCD情報サイトは米国サイトを元にしているため、邦楽情報が少なめであるのに対し、CDNOW JAPANはかなりの数の邦楽情報を網羅しており、曲情報をダウンロードできる確率は9割以上という。

MDレコーダー機能

同社オーディオ用のハードウェアATRACコーデックを搭載しており、CPUに負荷をかけずにエンコードが行なえる。また、サンプリングレートコンバーターを内蔵し、周波数の異なるソースからでも録音が可能。

画面上でMDの編集が行なえ、オリジナルMDを作成できる。キーボードを使って曲名入力ができるほか、音楽CDからMDにダビングする際は、CDプレーヤー機能で作成したプレイリストの曲名も自動的にコピーされる。ラベル作成ツールを起動した場合も、ジャケットや曲名入りで画面表示され、編集/印刷が可能。

FM文字多重放送チューナー

FMチューナーモジュールは、アナログのFMデータを受信後、すぐにA/Dコンバーターでデジタル化する。これにより、PCのノイズの影響を受けにくなるという。データのデジタル化により、MDへのダビングも可能。

また、FM文字多重放送に対応しており、曲のタイトルや番組情報、ニュース、天気予報を閲覧できる。受信した文字多重放送データをテキストファイルとして保存できる“データ保存”ボタンが用意されている。

赤外線リモコン

専用の赤外線リモコンが付属されており、CD、MD、FM、DVDの操作が可能。また、ボタンを押すとPCを起動し、あらかじめ設定されたコマンドを自動的に実行する“プログラマブル・パワー・キー”×4を装備する。

オーディオモード

PCを起動していない状態でも、CDやMD、FMが楽しめる“オーディオモード”を搭載。PC電源のほかに、オーディオ電源が用意されており、本体前面のLCD操作パネルやリモコンを利用して、AV機器として単独利用が可能。

ランチャー機能

ダビング予約といったスケジュールを登録できるランチャー機能を搭載。PCを起動しなくてもスケジュールは実行される。

同社開発担当者は、「AV関連の機能が盛りだくさんですが、もちろん普通のPCとしてもちゃんと使えます。PCで音楽を聴きたい、映像編集を行ないたいというニーズへのひとつの回答です。AVの楽しさを知ってもらいたいという気持ちはありますが、電子メールを読んだり、PCで仕事をしたりという以外の時間に、AVを楽しめるということで、24時間使えるPCを目指しています。家庭用PCとして理想的な姿として考えています」としている。

PCV-MX1は、TVチューナーを内蔵した17インチFDトリニトロンマルチスキャンCRTディスプレーが付属する『PCV-MX1TV7』、15インチTFT液晶ディスプレーが付属する『PCV-MX1L5』の2モデルがある。価格は両製品ともオープンプライス。推定小売価格は、『PCV-MX1TV7』が32万円前後、『PCV-MX1L5』が40万円前後。

『PCV-MX1L5』
『PCV-MX1L5』



PCV-MX1の主なスペックは以下の通り



CPU


Pentium III-500MHz


チップセット


Intel 440BX AGPset


メモリー


64MB SDRAM(最大256MB)


拡張メモリースロット


DIMMスロット×2


グラフィック


ATI RAGE 128GL(AGP 2Xモード対応)


ビデオメモリー


16MB SDRAM


FDD


3.5型3モード(1.44MB/1.2MB/720KB)×1


HDD


13GB Ultra ATA


DVD-ROMドライブ(データ時)


CD最大40倍速/DVD最大8倍速


サウンドチップ


Aureal Vortex2、AC97準拠、3Dサウンド機能


DVD-ROMドライブ(音楽CD時)


高精度クロック仕様、デジタルオーディオ出力対応


MDドライブ


音楽用レコーダブルMDドライブ


FM文字多重放送チューナー
FMステレオ、FM文字多重放送デコーダー、8プリセット、エリアコール対応


D/Aコンバーター


1bitΔΣ型D/Aコンバーター


音質調整


5バンドイコライザー、可変幅±10dB


スペクトラムアナライザー


5バンド表示


アンプ


Tripath CLASS-T 1bitデジタル方式アンプ、実効出力10W+10W


スピーカー


3リットル木製エンクロージャー、バスレフ型、10cmコーン型フルレンジユニット、4Ω、防磁型


オーディオ操作パネル


モノクロLCD表示窓(248×68mm)、リモコン受光部、マルチファンクションボタン×6、補助ボタン×4、ボリューム×1


内蔵モデム


データ:56kbps(V.90/K56flex対応)、33.6kbps(V.34対応)、FAX:14.4kbps


PCカードスロット


TypeII×1(CardBus対応)


外部接続端子(前面)


ヘッドホン×1、I.LINK端子(S400)×1、USB×1


外部接続端子(背面)


I.LINK端子(S400)×1、USB×1、キーボード×1、マウス×1、モニターコネクター×1、プリンターコネクター×1、シリアルコネクター×1、電話回線コネクターLINE×1/PHONE×1、光デジタルオーディオ入出力IN×1/OUT×1、ライン出力×1、PCオーディオ入力(ライン入力×1、マイク入力×1)、S映像出力×1、コンポジット映像出力×1、スピーカーコネクター(L/R)×1、FMアンテナコネクター×1


本体サイズ


幅188×奥行き374×高さ355mm


スピーカーサイズ


幅120×奥行き190×高さ242mm(1つあたり)


本体重量


12kg


スピーカー重量


1.95kg(1つあたり)


OS


Windows 98 Second Edition

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