このページの本文へ

MCIワールドコム、スプリントの買収を発表--買収総額は史上最大の13兆円

1999年10月07日 00時00分更新

文● 編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

全米2位の長距離電話会社である米MCIワールドコムは5日(現地時間)、全米3位の米スプリントを買収すると発表した。買収は株式交換の形で行なわれ、買収総額は約1290億ドル(約13兆8000億円)に及ぶ。これは企業買収の規模としては史上最大のものとなる。

買収の時期は明らかにされていないが、2000年になる予定。合併後の新社名は、ワールドコム(WorldCom)。スプリント傘下の携帯電話会社であるSprint PCSは、合併に伴って新しく設立されるWorldCom PCSに統合される形となる。

買収にあたって、スプリントの長距離電話部門であるSprint Fonの株は、1株あたり76ドル相当のMCIワールドコム株と交換される。また、Sprint PCSグループの株は、WorldCom PCSの株と1:1の割合で交換される。なお、WorldCom PCS株の価格は、MCIワールドコム株の0.1547株相当として値付けされることになっている。

10月6日現在(現地時間)、各社の株価総額は、MCIワールドコムが約1300億ドル(約13兆9000億円)、Sprint Fonが520億ドル(約5兆5600億円)、Sprint PCSが340億ドル(約3兆6400億円)となっている。

3社の株価総額を単純合計すると、約2160億ドル(約23兆円)となる。これは全米1位の電話会社である米AT&Tと同社の子会社である米TCIの株価総額を合算した1900億ドル(20兆4000億円)を超え、全米で最大の電話会社が誕生することを意味している。

合併に関わる3社の株価は、76ドルという具体的な買収価格が示されたSprint Fonのみが、9月末の50ドル近辺から60ドル付近にまで値を上げている。その他の2社は合併に伴って株価が下がることが予想されるため、10パーセントほど値を下げることとなった。

なお、新社名のワールドコムは、かつて業界第4位であったワールドコムが名乗っていた社名。'98年、ワールドコムが業界3位の米MCIコミュニケーションズ(当時)を買収した際には、新社名にMCIの文字を残していた。だが今回の買収により、かつて業界2位と3位であった企業の社名が消えることとなった。

MCIもスプリントも、決して業績が悪かったわけではない。だが、企業買収が重要な経営手法となっている現状においては、買収に継ぐ買収でのし上がって来たワールドコムの社名だけが残るのも、市場を反映しているのかもしれない。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン