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ターボリナックス、日本法人新社長と今後のロードマップを発表

1999年09月30日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ターボリナックス ジャパン(株)は、10月1日付けで同社の新社長に就任する小島國照氏の紹介と、今後の戦略についての説明会を行なった。

ターボリナックス ジャパン(株)の小島國照新社長 ターボリナックス ジャパン(株)の小島國照新社長



小島氏は、旧日本タンデムコンピュータズ(株)アドバンストテクノロジーセンター所長や、オブジェクトデザインジャパン(株)の代表取締役などを経て、10月1日付で同社社長に就任する。今後、日本のオペレーションは小島氏が担当することになる。ただし代表権はなく、同社の代表取締役は、米ターボリナックス社社長兼CEOのCliff Miller(クリフ・ミラー)氏が兼任する。

発表会場で壇上に立った小島氏は「現在、日本のベンダーがいちばん望んでいるものがオープンソースであり、Linuxではないかと思う。日本のLinux市場では特にパートナーを大事にすることが重要であり、サポート体制を拡充するべく、動き始めている。Linuxコミュニティーとの連携も深めている」と挨拶。ターボリナックスはCliff Miller氏のイメージが強いが、という報道陣の問いに対しては、「現在の会社のCliff色を無理矢理変えるつもりはない。今後もCliff色を活かして事業を展開していきたい。Cliff色の中で、ターボリナックスのクオリティを上げていくのが私の使命だと思っている」と語った。

続いて今後の同社の日本における事業戦略について、Cliff Millerが説明した。

「当社は、ソフトウェアを販売するという点でビジネスモデルが他社と多少異なる。基本的にLinuxはフリーのものなので、他社はサービスやサポートで儲けようとしているが、当社はソフトとサポートの組み合わせで儲けていく。これはソフトウェア市場ではごく当たり前のことだが、Linux市場では他と異なる」

「今後はハイパフォーマンスのサーバー製品に重点をおいて商売をする。デスクトップ製品を無視するわけではないが、企業向けとなると、デスクトップ製品では足りない部分がある。Linuxのアプリケーションは、プログラミングツールに関しては充実しているが、企業向けの営業販売や、総務、経理関連のアプリケーションは少なく、現在の業務アプリケーションの大半はWindowsだ。当社はアンチマイクロソフトではないし、Linuxをよりよい用途で使ってほしいと思っている。あと2年くらいLinux自体が成長しなければ、デスクトップ製品としてはお勧めできない。大企業がオフィスで使う段階まできていないと思うので、ビジネスではサーバー製品に力を入れていくということ。個人向けのデスクトップ製品も、もちろん出荷は続ける」

「製品の売上比率については、本数ベースでは、サーバー1に対しデスクトップが5くらいだが、金額ベースでは半分以上をサーバーが占めると思っている。今後、市場が変化し、アプリケーションがどんどん出てくれば、当社のストラテジーも変わっていく」

「国際化も引き続き行なっていく。当社は日本語、中国語、韓国語など国際化についてはスキルを持っており、いちばんリードしていると思っている」

「また、日本国内では会社としていちばん歴史がある。これまでパートナーとの関係を大事にしてきたが、今後さらに協力関係を強めていく。サポートも充実しており、過去2年のサポートデータを集めたデータベースを所有している。さらに、サポートとトレーニングの強化を図り、現在30名のスタッフを年内までに50名にする予定だ。日本のターボリナックスを大きくし、企業が安心してLinuxを使えるようなサポートチーム、営業チームを作っていく」

同氏は、製品ロードマップについても説明。11月に『TurboCluster Server』を、12月に『TurboLinux 5.0』と『TurboLiunx Mail Server』をリリースするという。『TurboLinux 5.0』と同時期に『TurboLinux Server』の最新版も出されるが、バージョン名をどうするかは未定という。また、2000年第1四半期に『Mail Clustering』、第2四半期に『Database Clustering』のリリースが予定されている。

Cliff Miller氏「日本のオペレーションは小島が担当する。私はワールドワイドでのターボリナックス社全体の管理を行なう。私の今の状況は、40(米国):40(日本):10(中国):10(ユナイテッド航空機の中)ですね(笑)」 Cliff Miller氏「日本のオペレーションは小島が担当する。私はワールドワイドでのターボリナックス社全体の管理を行なう。私の今の状況は、40(米国):40(日本):10(中国):10(ユナイテッド航空機の中)ですね(笑)」

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