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エクセレントパーソンになるにはマインドとスキルの両方が必要--第4回 国際女性ビジネス会議から

1999年09月28日 00時00分更新

文● 星裕水

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9月18日(土)、東京・お台場のホテル日航東京にて第4回国際女性ビジネス会議(主催:国際女性ビジネス会議実行委員会)が開催された。テーマは『エクセレントパーソンへの挑戦』。

基調講演では米国『ワーキングウーマン』誌編集長バーナデット・グレイ氏が登場。米国における女性のビジネスシーン進出の最新の状況や、関連してアメリカ経済の様子が報告された。また、特別講演の壇上に立ったのは、国際ビジネスブレイン社長の新将命(あたらし・まさみ)氏。“エクセレントパーソンの条件”と題した講演では、マインド(人間的能力)とスキル(職能)ともにハイレベルな人こそが、エクセレントパーソンつまり“人材”から“人財”へ飛躍するとレクチャーしていた。

女性による新たなビジネスの時代が訪れることを予感させるような会議であった
女性による新たなビジネスの時代が訪れることを予感させるような会議であった



ランチタイムには、モデルと経営者を両立させている久保京子氏と、今会議の実行委員長であるユニカルインターナショナル社長の佐々木かをり氏によるトークショー。ともに子供を持つ母親でもあり、仕事との両立に関する話は参加者にとっても大いに参考になったようだ。

講師役の久保京子氏と中井美穂氏。やはりお美しい
講師役の久保京子氏と中井美穂氏。やはりお美しい



午後は8つの分科会に分かれた。“企業内でのエクセレントパーソン”、“インターネットビジネスの可能性”、“日本でのジョブオポチュニティー(英語)”などそれぞれのテーマによる、講師と参加者との活発なセッションが繰り広げられた。

終了後はネットワーキングパーティー。会場は全国各地から集まった企業家、起業を志す女性(とごく少数の男性参加者)たちの熱気に包まれた。会議終了後、“起業家への第一歩”というセッションのファシリテーターを務めたエイガアル社長伊藤淳子氏は、「起業家の先輩の体験談を直接聞くことができたのは、経営者である自分にとっても非常に有意義なものだった」と語っていた。

以下では、グレイ氏による講演と、ディスカッション“起業家への第一歩”については、若干詳しく紹介する。

成功するワーキングウーマン像

働く女性の中でも、企業のトップに立つような人物にはいくつかの共通点があるようだ。バーナデット・グレイ氏は、長年の取材経験に基づく“成功するワーキングウーマン像”を語ってくれた。

『ワーキングウーマン』誌編集長バーナデット・グレイ氏。彼女も2児の母である。
『ワーキングウーマン』誌編集長バーナデット・グレイ氏。彼女も2児の母である。



以下に、その要件を列挙してみよう。

・冒険心を持っている(人に自分のキャリア決定権を委ねない)
・変化を好む(変化はチャンスをもたらしてくれる)
・おのれを忘れない
・あえてタフなプロジェクトに挑む
・常に自分をアピールすることを忘れない
・転職でキャリアアップを重ねる(同じ会社にいてもポジションを上昇させていく)
・少し背伸びをして仕事する
・スマートに立ち振る舞う
・失敗を許容する心の余裕
・カリスマ性を引きだす
・向学心を持つ
・リーダーシップロールを取る

さて、あなたはいくつ該当しただろうか。

“カリスマ性”という言葉には少々面食らったかもしれないが、自分らしさを出すことで周囲から一目置かれる存在になるということは、ある意味セルフプロデュースの真骨頂なのだ。また、日本の場合は自らリーダーシップを取ることを敬遠する雰囲気があるが、積極性なき行動は損もないかわりに利益も生み出さないのである。

さらにグレイ氏は友人の祖母から聞いたという言葉を参加者にプレゼントしてくれた。「高い山の頂点を目指すのではなく、星を目指しなさい。星なら落ちても山の上だから……」--。

タイムリーな話題が揃った分科会

起業に成功し、企業家として活躍している女性であっても、結婚・出産・育児・介護などを体験している人が多い。彼女たちだけに特別な舞台が用意されていたわけではない。前述の通り、8つの分科会が開催され、1人2テーマを選択できる方式で、それぞれが興味のあるジャンルに参加した。

分科会の様子
分科会の様子



中でも、“起業家への第一歩”と題された分科会では、スチュワーデスから転身して日本初の旅行添乗会社を起業したツーリズム・エッセンシャルズ社長の三橋滋子氏や、日本の伝統文化である水引をアレンジして世界に紹介した飾一社長の岩宮陽子氏が、起業までの苦労話や体験談を披露。女性であるがゆえに銀行から融資が受けられなかったり、当座預金口座の開設が認められなかったりという現実的な資金繰りの話に、参加者は熱心に聞き入っていた。

同じく講師として中小企業診断士の松本寿吉郎氏は、「3年、10年後の長期的展望がある人が成功しやすいようだ」とデータと経験をもとにして冷静なコメント。

また、ベンチャー企業雑誌である『アントレ』の元編集長の大野誠一氏は「MBAの勉強をしている人も、まずは自己分析が基本。リスクをおかしてまで本当に起業するのかどうか、もう一度よく考えて欲しい」とアドバイス。理想的なワーキングスタイルを追求する女性たちは、先輩女性たちの姿勢に感銘を受けていたようだった。

チャンスを確実にモノにする女性たち

すべての日程を終了した後はパーティー。参加者が一同に会し、目が合った人と名刺交換を始めるなど、新しい出会いに積極的になっていた。エクセレントパーソンとは、なにも会社を起こすだけではなく、前向きにスキルを磨き続けた結果として起業から企業へど成長している続けている人が多いようだ。きっと今日の会議をきっかけに数多くのビジネスチャンスが誕生していくことだろう。

会場は女性で埋め尽くされ、華やかな雰囲気
会場は女性で埋め尽くされ、華やかな雰囲気

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