(株)ジャストシステムは、9月23日に『一太郎10』と『花子10』の同時発売を記念して、秋葉原、新宿で発売記念イベントを行なった(一部敬称略)。
10作目の『一太郎10』には、中山エミリも駆け付ける
読者にフロッピーをプレゼントする中山エミリ |
『一太郎10』は同社の主軸製品である日本語ワープロシリーズ『一太郎』のちょうど10作目。ジャストシステムが制作した初めての日本語ワープロソフト『JS-WORD』から数えても15作目と節目となることから、大規模なキャンペーンが行なわれた。
キャンペーンは一太郎10のTVCMに出演している中山エミリのインタビュー、取締役社長の浮川氏、取締役専務の浮川夫人の記念講演会、ATOK13キャンペーンユニットの“G.A.P”のライブパフォーマンスなど。秋葉原の“T・ZONE本店”、“ソフマップシカゴ館1号店”、“ラオックス
ザ・コンピュータ館”と、新宿の“ヨドバシカメラOAマルチメディア館”でそれぞれ行なわれ、祝日でにぎわうパソコンショップで注目を集めていた。
まず23日に開催されたのは、中山エミリのインタビュー。彼女の仕事の話や、CM撮影時の秘話で盛り上がった。後半は秋葉原各店で一太郎10を購入した人を対象に抽選会があり、直筆サイン色紙や画像を収めたフロッピーディスクを中山エミリみずからプレゼントした。彼女は、一太郎10のメール送信機能を使って、ファンのホームページへお礼のメールを送ってみたいと語り、「一太郎10と花子10を、私のように変換間違いがないように使ってください」とアピールしていた。
TVCMで“本日回転のカフェ”と変換を間違えたため、カフェで回転してしまった中山エミリ。当日は猛暑の中、冬服の撮影で大変だったとか |
キーボード不要の時代がやってくる?未来のワープロ
午後から行なわれたのはジャストシステムの浮川社長、浮川専務夫妻の発売挨拶と記念講演会。浮川社長は一太郎10がジャストシステムとしての1つの節目であると述べ、“21世紀、ワープロソフトはこうなる”というテーマで講演した。講演で浮川社長は「5年後にはキーボードがオプションとなったパソコンが発売される」と大胆な説を挙げ、日本語入力システムの進化について語った。
現在日本語入力は、ジャストシステムの“ATOK”をはじめとしたキーボード入力システムを採用しているが、ここ数年の音声認識システムの進化により、これからは音声入力が主流になると目されている。しかし音声認識の場合は同音異義語などの候補を表示できないといった理由から、変換メソッドは異なる。「考えていることがそのまま文章になる」ことを目標に、同社では音声認識メソッドの研究しているとのことだ。
また、21世紀のワープロソフトは変わらずソフトの中心であり続け、より応用的な技術を内包したものになるとも述べた。社長は「メールやインターネットの掲示板などのトラブルの多くは、いい表現を知らないために起こっているんじゃないかと思います。文字で気持ちの強さを表わすのにみんなあまり慣れていない。これからは言葉だけでは定義できない、感情を表現できるようになればノーベル賞ものですよ」と語り、同社ピッツバーグ研究所で、フェースマーク(顔文字)発明者スコット=ファルマン氏がフェースマークに変わる感情表現方法を模索していることを明らかにした。
文字での感情表現を図る方法の例としてラブレターを挙げた浮川社長に、夫人である浮川専務が「受け取る側も、相手の気持ちの深さを調べられるようにして欲しい」とコメントするなど、夫婦ならではの息のあった掛け合いも見られた。
浮川社長、専務そろっての講演は非常に珍しい。会場には熱心な一太郎ユーザーが集まった |
浮川専務は、現在、力を入れている“コンセプトベース”の活用について語った。“コンセプトベース”とは単語や文章、段落からどのようなジャンルの文書かを分析する技術で、決まった言葉のみを探し出す“検索”と違い、より人間らしい分析が可能。コンセプトベースを採用したソフトに『インターネットブーメラン』があるが、今後はビジネス分野に応用する予定だとした。具体的には、インターネット上や社内ネットワークなどの定型文書をより便利に再利用できるシステムを作り上げたいとしている。
ATOK13発売キャンペーンユニットも結成!!
“G.A.P”のアリス、ティファニー、オリビア、ケイティ。実は4人の頭文字を合わせると“ATOK”になる |
同時に新宿で行なわれていたのが、ATOK13のキャンペーンユニット“G.A.P”のライブパフォーマンス。“G.A.P”はATOKユーザーの女性から選ばれた、ATOK13の発売キャンペーンを担当するユニット。アリス、ティファニー、オリビア、ケイティの4人組で、若い年齢層へのアピールを狙って結成された。歌って踊れるだけでなくATOKについても詳しいとあって、売り場では購入を迷う人からさまざまな質問が寄せられていた。“G.A.P”は首都圏と大阪のパソコンショップ店頭でキャンペーン活動をしたあと、11月5日の『ATOK13』発売後の7日には解散する。