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日本オンライン証券、11月中にオンライン証券取引のサービス開始

1999年09月22日 00時00分更新

文● 編集部 高柳政弘

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日本オンライン証券(株)は、11月中にオンライン証券取引サービス“kabu.com(カブ・ドット・コム)”を開始すると発表した。これにより、同社は10月1日に営業を始め、口座開設の資料請求を受け付けるという。同社は、資本金2億円で'99年4月23日に設立された。また、27日に資本金を20億円に増資する予定だという。株主は、伊藤忠商事(株)、朝日生命保険(相)、(株)第一勧業銀行、マイクロソフト(株)など。

同社の代表取締役社長の藤島久則氏は、既存のシステムでは「オンラインの特性を活かしきれていない」と批判し、非投資家や既存のオンライン取引への不満を徹底的にヒアリングしたという。これにより、同社では他社とのサービスの差別化を図るため、オンライン証券取引専用のシステムを一から開発したという。藤島社長は「投資家に便利な証券会社“kabu.com”を目指す」という。

日本オンライン証券の藤島社長
日本オンライン証券の藤島社長



事業内容は、インターネット、テレビ、電話、ファクスによるオンライン証券取引業務。サービスの特徴は、24時間365日、インターネットや電話(音声自動応答)などで売買注文ができるリアルタイム性。電話による注文は、音声自動応答以外に、オペレーター(8時から20時まで)と直接行なうこともできる。注文の方式は、従来の“指定成行”や“指定指値”以外に、“不出来引け成行”や“利益指定指値”などにも対応しているという。

株式売却の注文画面
株式売却の注文画面



取り扱い商品は、東京証券取引所上場株式(証券保管振替機構の取り扱い銘柄限定)、大阪証券取引所上場株式(証券保管振替機構の取り扱い銘柄限定)、名古屋証券取引所上場株式(証券保管振替機構の取り扱い銘柄限定)、店頭登録株式(マーケットメイク銘柄除く)および投資信託(MMF、MRF)。

口座管理料や利用料は無料で、振込手数料はユーザーの負担となる。ただし、ユーザーから同社への振込手数料は、ユーザーの口座から自動引き落としになる場合、同社が負担するという。

オンライントレードの契約形態は、標準のAコースと、インターネット限定のBコースの2つある。Aコースでは、インターネット以外にフリーダイヤルの音声自動応答やオペレーターによる注文が可能。Bコースは、12月1日に開始予定だという。

Aコースのオンライントレードの手数料は、約定金額50万円までの手数料を1500円、50万~100万円までの手数料を2000円、100万円以上の手数料を“約定金額×0.2%”に設定。これに、指値または条件注文の場合は500円加算、フリーダイヤルの音声自動応答で200円加算、オペレーターが応対する注文では2000円加算される。同社は、キャンペーンとして'99年12月末までの初回手数料を無料にするという。

Bコースのオンライントレードの手数料は、売買10回までの手数料を含み月額固定の2万円。超過分は、売買1回当たり2000円加算。Bコースでは、指値や成行などの条件注文による手数料の加算はない。1回当たりの約定金額の上限は500万円。

同社は、オンラインの情報サービスとして、リアルタイムの株価、会社四季報のデータ、さくら投信投資顧問(株)の大島チーフファンドマネージャーらによる日替わりの投資コラムなどを無料で提供するという。また、株価情報“QUICK for kabu.com”を有料で提供する。これは、(株)QUICKの株価情報“QUICK リアルWeb”に、ニュースやマーケット情報などをオリジナル情報を追加したもの。“QUICK for kabu.com”の料金は、半年契約で3000円、年間契約では5000円となるが、99年12月まではキャンペーンとして無料になるという。

セキュリティーに関しては、128ビットのSSL(Secure Sockets Layer)を採用している。また、システムを運用する同社内では、入室に瞳孔認証システムを、全パソコンに指紋認証システムをそれぞれ装備しているという。顧客データは、ソフトウェアによるものではなく、安全性を重視しハードウェア(クリプトボード)で暗号化するという。

同社では、株主であるマイクロソフト(株)の個人資産管理ソフト『Microsoft Money 2000 日本語版』との連動も検討しているという。また、iモード携帯電話の売買取引にも年度内に対応する見込み。

同社は、口座開設の目標を3年間で10万口座としている。最後に、藤島社長は「(同社の)証券業登録が9月16日に完了した」と付け加えた。

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