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NAA、オークションの将来についての声明を発表

1999年09月20日 00時00分更新

文● 編集部

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1949年に設立され、約6000人のオークションの競売人で組織される米National Auctioneers Association(NAA)は16日(現地時間)、近年盛んになりつつあるオンラインオークションを踏まえて、これまでの伝統的なオークションの将来についての声明を発表した。

オンラインオークションが盛んになるにつれ、伝統的なオークションはすたれていくのではないかという見方もあったが、このような予想に反し「今年のオークション市場は当たり年となっている」とNAAのRobert Doyle氏は語った。「伝統的な競売人による独特のサービスのおかげで、世の中の動きが変わっても伝統的なオークションは生き残るだろう」。また、ニューヨークFishkillのDoyle氏は「伝統的なオークションにおける、安定した売却物を提供するネットワークは、伝統的な競売人のサービスや信頼、市場戦略などにより、長い年月をかけて培われてきたものである」と述べた。

昔ながらの伝統的な競売人たちは、オンラインオークションの台頭によって、潰されていくのではなく、新しいテクノロジーを取り込み、伝統的なサービスとの両方を兼ね備えたサービスを提供できるという。

伝統的なサービスには、オンラインオークションにはない独特なサービスがあるという。売却物が発生すると、迅速にコレクションや所有物を大量に押さえ、見積もり、目録作成、梱包、配送、売却などを一手に引き受ける。「オンラインオークションでは、このプロセスの1部分のサービスしか提供しないだろう」とNAAのTechnology Outlook CommitteeのDrigger氏は言う。また、入札者のために事前に内覧会を開き、売り手と買い手との仲介や、オークション会場での売りこみを行なう。

そのようなサービスに加え、伝統的な競売人はインターネットを次のように活用しているという。多くの競売人はオークションの開催予定を発表するためのウェブページを公開している。競売人たちはいろいろなウェブページに公開されているオークションの品目や写真を見て、より詳しい情報を得ることができる。オークションの情報を知らせるための顧客名簿として電子メール用と郵送用の2つを用意しているところもある。中には、電子メールでの入札を許可しているところもある。そのほかにも、オークションをネット上でライブ放送したり、特定の品目をオンラインオークションで販売しているところもある。

しかし、ネットを通じての販売がうまくいくとも限らない。今後オークションがすべてオンラインオークションに変わっていくのではなく、競売人は、情報収集や顧客の開拓、顧客のためのサービス提供の場としてインターネットを利用していくと見られている。

このように、21世紀に向けて、伝統的な競売人たちは従来のサービスに加え、インターネット技術をうまく利用し、顧客のためにさらなる努力をすると、NAAは同声明を結んでいる。

なお、同団体は8月26日、オンラインオークションの標準として“eBay.com”と“amazon.com”のどちらを承認し提携関係を結ぶか、90日以内に最終的な決定を下すと発表している。また、eBay.comに対して、さまざまなオークション関連サイト同士がオークションネットワークを結成するという動きもあり、オークションサイトの今後の動向が注目される。

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