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【WORLD PC EXPO '99レポート Vol.28】PalmおよびWorkPadユーザーのためのお祭り“PUXPO '99”開催

1999年09月13日 00時00分更新

文● 千葉英寿

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11日、“WORLD PC EXPO '99”において、PalmおよびWorkPadユーザーのためのお祭り“Palm/WorkPad User's EXPO in Japan '99(PUXPO '99=パクスポ99)”が幕張メッセにおいて開催された。このイベントは、Palm/WorkPadのユーザー・グループ・メンバーを中心とした“パクスポ99実行委員会”の完全なボランティア活動として企画運営され、スリーコムジャパンと日経WinPC(日経BP社)の協賛を受け開催されたもの。

予想超えるユーザーが結集、ますます熱いPalm/WorkPadコミュニティー

当日はWorld PCフォーラムでも、スリーコム、パームコンピューティング社のアラン・ケスラー社長による“特別講演:Palmコンピューティングの戦略と未来”が開かれるなど、終日モバイル一色の1日となった。PUXPO '99の開催会場となった国際会議場302号室でも、満員で会場から人がはみ出すほどの盛況となった。

イベントは2部制で、第1部はPalm/WorkPad関連の新製品の紹介やコミュニティーにおける著名人による座談会、Palm/WorkPadを使ったゲームイベントが開かれた。第2部は一大懇親オフ会となった。

驚異のシール型キーボード『Thumb Type』

第1部の最初は、大変話題となっている“ディスプレーに貼り付けるだけ”で使用できるシール型のキーボード『Thumb Type(サム・タイプ)』が登場し、徹底的に検証。Thumb Typeを開発したバーチャルカンパニーであるFTLの山田昌宏氏によれば、同製品は9月末にオカヤシステムソフトウェア(株)を通じて販売店およびウェブサイトで販売が開始される予定だ。価格は6800円(ドライバーなどを含む)の予定。

Thumb Typeは感圧式になっている。つまり、Palm/WorkPadのディスプレー部分に貼り付けるとキーボードのキー部分がペン先のような突起状になっており、これによって座標が伝達され、OS側で変換を行なって入力される仕組み。山田氏によれば「感圧式なので、シャープの“ザウルス”やWindows CEマシンといった感圧式で入力するものであれば、応用が利きます」ということだ。
また、キーボードを貼り付けることによって隠れてしまうグラフィティは簡単な操作で下からせり出すようになっている。対応製品は、WorkPad 3J、WorkPad c3、Palm III、PalmIII x、PalmIII e、PalmV(Pailotについては、自己責任において使用してもらいたいとのこと)。対応OSは、日本語OSおよびJ-OS 3以降。

驚異の極小キーボード『Thumb Type』。今後、モバイル・マシンにどんなインパクトを与えるのだろうか?
驚異の極小キーボード『Thumb Type』。今後、モバイル・マシンにどんなインパクトを与えるのだろうか?



興味深い製品だけに会場のユーザーからはさまざまな質問が飛び出した。なぜ、シールにしたのか、というオーソドックスな質問に山田氏「フタにつけるアイデアもあったのですが、資金の関係もあって……。アッと言わせたかったということもあります」と語った。また、何度でも張り替えはできるのか、という質問には「特殊な粘着性の素材を使っているので、劣化もなく、その心配はありません」ということだ。
 
どのぐらいの早さで入力できるのか、という質問に応え、山田氏が入力を行ってみたがお世辞にも早いとは言えないものとなった。そこへ、J-OS開発者でPalm/WorkPadのユーザーコミュニティーでは“神様”と呼ばれる山田達司氏が登壇し、鮮やかなタイピングを見せてくれた。慣れさえすればぺン入力を遙かに超えるスピードで入力できることを証明してみせた。

“神様”山田氏は『AMIDA DE GO』を紹介

続いては、新作ソフトを紹介するコーナーとなった。最初に登場したのは、先に登場した山田達司氏。山田氏はこれまでも数々の名作を生み出している上に、山田氏の“世界初の画期的なソフト”との言葉に来場者の期待は最高潮となった。

ところが、山田氏が用意したのは、なんと『AMIDA DE GO(アミダでゴー)』という思い切り脱力系のゲーム。いわゆる、あみだくじをゲームにしたもので、「何人で遊ぶ?」、「いくつにする?」、「Playerを選ぶ」といった簡単な項目をセットし、後はあみだを楽しむだけの簡単なもの。しかし、使用しているキャラクターが秀逸で、ブタさん、カエルさんをはじめ、たつし君、YOUCHANといった作者をモデルにしてしまっているところがなんとも楽しい。

“AMIDA DE GO”のスタート画面。なごめるゲームだ
“AMIDA DE GO”のスタート画面。なごめるゲームだ



キャラクターをデザインしたのは、PC WATCH(インプレス)で『YOUCHANのPCギョーカイほげほげツアー』というFlashアニメを連載しているイラストレーターのYOUCHAN氏を壇上に迎え、かわいいキャラクターの動きに会場はなごやかな雰囲気に包まれた。

続いては広島から参加した名プログラマーの福本修仁氏。福本氏のPalmがプロジェクターに写し出された時に会場にどよめきが起こった。ディスプレーに表示されたのは、なんとあのかわいいクマのキャラクターで有名な“●ス●ペ●ト”の画面。もちろんこれは“開発中”のものではなく、福本氏が洒落でホームに個人的な楽しみとして張り付けたもの。

最初に紹介したのは、ドットを設定し地図なども簡単に作れるようになった“ポケットペイント”。作成した図版は文字にリンクを張ることもできる。また、Mac用のグラフィックコンバーターもありデジカメの画像も取り込みできる。
 
次に登場したのは、文字列のデータをドラッグ&ドロップし、一気に表にしてしまう“テーブル・ビューア”。ドラッグ&ドロップのできるプログラムならば何でも使えるもので、スケジュールなどを項目ごとに見やすく表にして表示できる。なお、現在は、タブ区切りだが、すぐにCSVなどの形式にも対応するとのこと。また、あくまでビューアーなので「取りあえず見るだけのもの」とのことだ。

座談会“本音Talk!!~Pilot/Palm/WorkPadの過去・現在・未来”――ドタバタコメディーの様相を呈す

第1部最後のイベントには、“神様”山田達司氏、ニフティ“FPALM”のシスオペを務めるみのたん氏、そしてPalm/WorkPad関連で人気のウェブサイト“パーム航空”のサイトオーナーである謎に包まれた人物“機長”氏が登場し、“本音Talk!!~Pilot/Palm/WorkPadの過去・現在・未来”と題した座談会が開かれた。

左から“FPALM”シスオペ・みのたん氏、“神様”山田達司氏、“パーム航空”機長氏。三役揃い踏みといったところ
左から“FPALM”シスオペ・みのたん氏、“神様”山田達司氏、“パーム航空”機長氏。三役揃い踏みといったところ



最初に、これまたPalm/WorkPadやPowerBook 2400のユーザーコミュニティーで有名なモバイル犬“ポチ”氏が乱入し、“機長”氏の本当はなかった胸毛(詳しくは“パーム航空”のトップページをご覧下さい)(制裁処理? )が行なわれ、最初からドタバタコメディーの様相を呈していた。

モバイル犬“ポチ”氏が乱入、機長氏に胸毛を描く一幕も
モバイル犬“ポチ”氏が乱入、機長氏に胸毛を描く一幕も



≪以下、座談会の発言を抜粋≫

山田氏「初めてPalmを見たときからN0.1になるものだと確信していました。PDAでは必ず日本一になります」

みのたん氏「最初は買っただけで使っていなかったんです。理由は仕事に使うのに、日本語が通らないのでは使えない。ところが突然、フォーラムに山田さんが出てきた。それで即買ったわけです。ニフティに専用フォーラムを持つと相談したときは、“そんな必要があるんですか?”といわれたが、今やこんなにユーザーがいるのは驚きですね」

機長氏「僕なんかぜんぜん理科系じゃなかったので機械はてんでだめでした。それがPalmは違った。バリバリ文化系の僕が楽しく使えるのはスゴイ」

みのたん氏「日本にはすごい数のユーザーグループ(UG)があるんです。UGは全世界で56グループありますが、そのうち半分以上の29グループが日本のUGなんです」

山田氏「ユーザーグループにはオフ会が必ずあって、そこにはなかなか切り出せない恥ずかしがり屋のプログラマーが絶対います。そういう人をつかまえて、“デモ見せて”と振ってみて下さい。そうすれば“仕方ないなぁ”とかいいながら嬉々としていいソフトを見せてくれると思いますよ」

「ここまでユーザーが増えたのは本当に感慨深いです。ぜひ、ユーザーグループに参加して、一緒に楽しみましょう」と語ってくれたPalm/WorkPad界の“神様”山田氏
「ここまでユーザーが増えたのは本当に感慨深いです。ぜひ、ユーザーグループに参加して、一緒に楽しみましょう」と語ってくれたPalm/WorkPad界の“神様”山田氏



みのたん氏「バイザーについては……? は無理として、引退宣言ではなく、今後どのように関わっていかれるのか聞かせて下さい」という質問に対し、

山田氏「WorkPadが出た時点で自分の役目は終わったと思いましたが、実は日本アイ・ビー・エムさんもそれほど頼れないな(笑)、ということで、まだお手伝いできるところもあるなと考えています。1つお約束できるとすれば、今後も“Palmを応援してくれる人、Palmを盛り上げてくれる人を応援していきます”ということと、“開発者の方にプログラミング情報を提供しサポートしていく”ということです」と語った。

この後は、第2部として懇親オフ会が開かれた。

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