【WORLD PC EXPO '99レポート Vol.25】Athlonで大攻勢をかけるAMDブース。対するインテルは静観の構え――来場者にも熱気の差?

1999年09月09日 00時00分更新

文● 編集部　佐々木千之

WORLD PC EXPO '99で、デモンストレーションが始まると大勢が集まって人だかりができるブースがいくつかあるが、その1つが『AMD Athlon』の展示を前面に押し立てた日本AMD(株)のブースだ。通路を隔ててはす向かいにある、インテル(株)のブースとあわせて紹介する。

Athlon、Athlon、Athlon一色のAMDブース


インテルブースに近いほうが正面となるメインステージ。Athlonのステージが始まると、毎回大きな人だかりが

AMDのブースを一周して気が付くのは、“Athlonの展示しかない”こと。Athlon以外のプロセッサーはまったく展示されていないのだ。同社のAthlonにかける意気込みがわかる。メインステージでは、記者発表のときに行なわれたような、Athlon-600MHzとPentium III-600MHzのマシン同士で各種のベンチマークを連続して行なうデモなどが披露されている。このデモはビデオ映像なのだが、これに納得のいかない人はAMDブースの角に、実機での比較コーナーも用意するという念の入れようだ。

筆者がみたステージの最後には、プレゼンテーターが、「では皆さん、Athlonプロセッサのすごさがおわかりいただけたかと思います。このあとはインテルのブースにもお立ち寄りになって、ご自分の目でパフォーマンスの違いをお確かめになってください」と、強烈なメッセージ。Athlonのパフォーマンスへの絶対の自信が伺われた。


メインステージの反対側にはAthlon搭載マシンを実際に操作できるトライアルコーナーが用意されている


Athlon対応マザーボード、Microstar、Biostar、FIC、Gigabyteブランドが並んでいた

AMDブースに展示されていたAthlon対応マザーボードは、Microstar、Biostar、FIC、Gigabyteブランドのものだが、このほか、VIA TechnologiesのAthlon対応チップセットAppolo PRO KX133を搭載したマザーボード(VIA製)も展示されていた。また、これ以外のマザーボードメーカーのブースにも展示しているところがあった。

	VIA Technologiesのブースにあった、Appolo PRO KX133搭載のAthlon用マザーボード。この横では実際にこのマザーボードを使ったパソコンが動作していた

EXPO開催のタイミングが悪かった? おとなしいインテルブース

一方、通路を隔ててはす向かいにあるインテルのブースだが、AMDブースに近い側はなんと壁で、メインステージは遠い側のコーナーに作られている。ステージのメインは、Pentium IIIユーザー限定のインターネットコンテンツサービス“Intel Web OutFitterサービス”の紹介。先ごろ開始されたWeb OutFitterの新テーマが“音楽”ということで、ディスクジョッキー(ビデオジョッキー?)による、音と映像を組み合わせたショーなどが行なわれていた。

このほかステージでは、インテルが提唱している、ISAバスやPS/2ポートなどを廃した、家庭向けレガシーフリーパソコン“EasyPC”の紹介が行なわれ、ステージ横では4種類のEasyPCが展示されていたが、これらはパソコン誌などで何度も取り上げられているせいか、それほどの人気は集めていなかったようだ。

AMDの“動”に対して“静”のインテルというところだが、先日のIDF(Intel Developer Forum)でニュースが流れた、CoppermineやIntel 820チップセットの展示が一切なかったため、もしやと、それを期待して来場したユーザーには肩透かしだったかもしれない。AMDブースの熱気に気おされたといったところか。