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【Seybold San Francisco 99 Vol.4】「XMLがウェブの標準技術」――セミナー前編

1999年09月03日 00時00分更新

文● 水無月 実

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【Seybold San Francisco 99 Vol.4】

前回はSeybold San Francisco 99開幕の様子をお伝えした。今回は、大きな3つのコンファレンスを軸に展開したセミナーの前編の模様をまとめて報告する。

“Special Interest Day”は熱い議論の場

8月31日にはウェブのソリューションを検討する“The Web Conference”と、印刷や出版分野の“Best Practices For Printing Conference”が終了した。また、9月1日は“デジタル・イメージング”、“XML”、“PDF”、“カラーマネージメント”、“アセット・マネージメント”、”オンデマンド・プリンティング”など話題のカテゴリーに分かれ、それぞれについて1日中討論する“Special Interest Day”が催された。

今回のSeybold San Francisco 99は“21th Century Publishing”がテーマである。初日の基調講演でも紹介した電子ブック、データベースとインターネットのつなぎ役になるXML、Eビジネス、Eコマースがキーワードになった。前半はインターネットのソリューションに関するセミナーがメインになり、印刷関連のセミナーは後半に控えていた。

基調講演に登場したSpearkerたち
基調講演に登場したSpearkerたち



注目される電子ブックソフトと端末

まず電子ブックに関しては、基調講演で紹介していたMicrosoftの電子ブックソフト“MS Reader”以外にも、読書端末と一体型の電子ブックなど、ハード&ソフトともに、この分野の新製品を紹介していた。ただし、現在の読書端末は1画面の液晶ディスプレーにドキュメントを表示するハンディータイプ端末であるが、ハンディーと言う割には、その重さが気に掛かった。現在の書籍のレイアウトと、読書スタイルに近づくといわれる2枚の液晶ディスプレーを使った見開き型の読書端末が登場するようになるには、液晶ディスプレーの価格、性能ともに“その重さの問題”の解決が迫られるであろう。

マイクロソフトも電子ブックソフトを発売
マイクロソフトも電子ブックソフトを発売



インターネットで重要な役割を果たす“XML”

また、インターネットのソリューションを討議するセミナーでは“XML”という用語が頻出した。現在のインターネットのコンテンツには“データベース”、“アセットマネージメント”の技術を使ったものが多く見られた。Eビジネス、Eコマースをも視野に入れたソリューションでは、いっそうXMLの役割が重要になる。これはマクロメディアの社長Norman Meyrowitz氏、クオークのCTOであるTim Gill氏、アドビシステムの社長Charles Geschke氏が一堂に会した9月1日の基調講演の中でも同様であった。

まず、マクロメディアのNorman Meyrowitz氏は同社のソフトウェア“Flash”を使った新しい展開として、ホームページがこれまでの静的な情報提供の場から、データベースと連携することで、動きのある新鮮な情報提供の場に変わることを語った。

続く、クオーク講演では、Tim Gill氏が「XMLをウェブのスタンダードな技術として重視している」と述べ、“QuarkXPress”+“XML”+“データベース”によるウェブ上での新聞制作という実例を示した。ここでは時々刻々と変化する株価などの数値がそのまま表示され、まさにダイナミックに情報の発信されていた。また、カタログ販売がウェブで展開されている例を示し、すでに多くのウェブサイトでEビジネス、Eコマースが現実のものとなっていることも紹介した。

QuarkXPressとXML、データベースで生きた情報をウェブで発信
QuarkXPressとXML、データベースで生きた情報をウェブで発信



Adobe InDesignのデモも

最後に、アドビのCharles Geschke氏は「同社は、今回アメリカで発表された新しいレイアウトソフト『Adobe InDesign』をコアに新しいプリンティング・システムを展開していく」と語った。ここでも『Adobe InDesign』は印刷のツールとしてだけでなく、ウェブへの情報発信のツールとして活用できることを強調していた。

アメリカで発売されたばかりの『Adobe InDesign』
アメリカで発売されたばかりの『Adobe InDesign』



目玉のPowerMac G4は大反響

今回の“Seybold San Francisco 99”での目玉と言えば、アップルがすでに発表した“PowerMac G4”だが、このマシンではその速さが特に強調されていた。

今回のSeybold San Francisco 99で話題をさらったPowerMac G4
今回のSeybold San Francisco 99で話題をさらったPowerMac G4



スティーブ・ジョブス氏は「1秒間にほぼ100万回の計算ができ、その性能はスーパーコンピューターにも匹敵する」と語った。また、「同レベルのインテルのチップを乗せたWindowsマシンと比べると、その速さはの3倍」との発言もあった。

この発言は、当日(31日)の『San Francisco Examiner』(サンフランシスコの地方紙)が取り上げていた。翌日には同じく“San Francisco Chronicle”(サンフランシスコの地方紙)や、さらに全国紙である“USA TODAY”も第1面で写真入りで報道。

いずれの記事も、PowerMac G4の性能を紹介するともに、この発表を受けてアップルの株がさらに高騰したこを伝えたものだった。PowerMac G4のデザインは従来のPowerMac G3と同じだが、色に落ち着きがあり、価格は1599~3499ドルと発表。

ついに発表されたPowerMac G4とアップルの21インチ
ついに発表されたPowerMac G4とアップルの21インチ



また、展示会場ではPowerMac G4と同時に発表されたハイエンドグラフィックス用の21インチ(22インチ)液晶カラーフラットモニター“アップル・シネマ・ディスプレイ”(3999ドル)も注目を集めていた。

アップルの21インチフラット液晶ディスプレーに群がる人々
アップルの21インチフラット液晶ディスプレーに群がる人々

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