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VMSセミナー、“デザイン・印刷におけるPDFファイルの利用法が開催

1999年08月30日 00時00分更新

文● 編集部 堀田ハルナ

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アドビ、猪俣氏によるレクチャー

VMS(Vanfu Media Station)セミナー講演“デザイン・印刷におけるPDFファイルの利用法”が、27日夜、開催された。講師はアドビシステムズ(株)の猪股義治氏。今回のセミナーは、6月18日に『Adobe Acrobat4.0』が発売されたことを受けて開催されたものである。新しく付け加わった機能とその利用法をデモを交えて紹介した。

今回の講師アドビシステムズの猪股義治氏
今回の講師アドビシステムズの猪股義治氏



今回追加された機能の中でも猪股氏が最も強調したのは、これまで不可能だった日本語フォントの埋め込みが可能になった点である。今までUnicodeを採用していたが、フォントの埋め込みができないため、採用されたフォントがPDFデータを受け取った側にない場合には、自動的に似たフォントで代用し、表示、印刷していた。日本語、韓国語、中国語が混在する文書では、受け取った側に3ヵ国それぞれのフォントがすべて入っていないと、意図通りに表示されない可能性が高かった。

今回、フォントの埋め込みが可能になったため、中国語やハングルが、同一ファイル内に混在しても、きちんと表示できるようになった。しかも、解像度の制限はまったくないので、プリンターにフォントが入っているのと同じように表示できる。

そのほか、ウェブ上の1ページまたはサイト全体をPDFファイルとして保存する“Webキャプチャ機能”が実演された。猪俣氏はアップルのウェブサイト7ページをわずか5分足らずでPDFファイルに変換して見せた。体裁も階層構造も保持されたままでキャプチャーできるので、リンク先をクリックすると、PDFファイル上のリンクページに飛ぶことができる。従来なら丸1日かかった作業も、わずか数十分で可能になるという。

また、特別に9月17日発売(予定)の、『Adobe Photoshop 5.5 日本語版』のデモも行なわれた。“背景消しゴム”、“抽出”という新機能を利用して、猪股氏が天然パーマの子どもの画像を抽出して別の画像に埋め込んでみせると、会場から感嘆の声が漏れた。


会場の反応も大

会場は立ち見も出るほどの大盛況で、セミナー後にも多くの質問が飛び出した。最後は(株)帆風が、印刷会社やデザイン事務所からの出席者に今後の方針などを説明して締め括られた。帆風は今後も新しいメディアを早く取り入れると同時に、注意深く対応したいという。

質問する出席者
質問する出席者



参加者のデザイナー3人に聞いたところ、「印刷会社とのやりとりも多く、移り変わりの早い業界なので、新しい技術を勉強しに来た」、「PDFの利用によって、遠方の顧客とのやり取りが可能になる上、校正などの作業が簡単になる。大変勉強になった」と語った。

主催の(株)帆風は、MacおよびWindowsの入出力、DTPなどのサービスを提供する会社。VMSセミナーは今回で18回目で、毎回プリプレスやDTP関連のテーマの中で話題となっているものを取り上げる。今回は、前回同様のセミナーを開催した際に応募が殺到したことを受けて開かれた。今後も2ヵ月に1度の頻度で開催する予定という。

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