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米サン、マルチメディア対応アーキテクチャーを発表

1999年08月25日 00時00分更新

文● 編集部 寺林暖

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日本サン・マイクロシステムズ(株)は、17日(現地時間)に米サンが発表したJava対応のマイクロプロセッサー・アーキテクチャーである“MAJC(マジック=Microprocessor Architecture for Java Computing)”について、記者会見を行なった。



冒頭、日本サン 半導体事業部門本部長の福田君平氏が、「我が社のプロセッサーは、'87年の32bitプロセッサー“SPARC V7”から'95年の64bitプロセッサー“SPARC V9”に至るまで、その性能と実績が顧客に評価され続けている。今回のMAJCは、本格的なネットワーク時代を想定し、“顧客が満足できる、イメージや音声データの高速処理の実現”という新しいコンセプトに基づいて設計された」と語った。

続いて、米サン・マイクロシステムズ社のマイクロエレクトロニクス部門のプレジデント、Mel Friedman(メル・フリードマン)氏が、MAJCについて解説した。MAJCは、マルチメディアニーズの増大、Java言語の普及、ネットワーク帯域幅の拡大という背景を受け、音声や映像のストリーミング放送など、複数のデジタルデータを高速処理することを目的に開発されたという。

米サン・マイクロエレクトロニクスのプレジデント、メル・フリードマン氏
米サン・マイクロエレクトロニクスのプレジデント、メル・フリードマン氏



MAJCでは、DSP(Digital Signal Processor)やVLIW(Very Long Instruction Word)のアーキテクチャーを取り入れ、デジタル化されたアナログ信号の処理方法を改善しているという。また、Java言語に最適化されており、プロセッサー非依存性とマルチスレッド機能のサポートを実現している。Javaアプリケーションの高速処理が可能なほか、次世代VLIWコンパイラーを使用することで、CやC++コードで書かれたプログラムの高速処理も可能になるという。なお、MAJCで設計されたマイクロプロセッサーは最大4つの命令を並列処理する機能を持ち、ボード上に複数搭載することができる。

同アーキテクチャーは、双方向エンターテイメント機器や統合通信機器、セットトップボックスなど、大量のメディアを扱う新製品の基盤になるという。フリードマン氏は、「MAJCアーキテクチャーにより、音声認識に対応するGPSの開発や、自由な視点変更が楽しめるスポーツ中継の提供も可能になるだろう。ただ、家電業界との提携は今のところ考えておらず、むしろMAJCのビジネスチャンスは通信業界にあると思う」と語った。

さらにフリードマン氏は、10月に米カルフォルニア州で開催予定のMicroprocessor Forumにおいて、同アーキテクチャーに基づいて設計された最初のチップの公開や、その具体的な処理速度などを公表する予定であることも明らかにした。

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