“Motion Web KANSAIコンソーシアム”設立記者会見

1999年08月02日 00時00分更新

文● 正月孝広

関西圏の人材育成とデジタル市場を活性化する“Motion Web KANSAIコンソーシアム”

7月29日、空中庭園で有名な大阪新梅田シティ、ウエスト3Fにある梅田ステラホールにおいて、“Motion Web KANSAIコンソーシアム”設立の記者会見が行なわれた。このコンソーシアムは、関西のマルチメディア、インターネットに深く携わる教育機関、企業が主幹となり今後の活動を行なっていく。


記者会見の行なわれた大阪新梅田シティ

“映像”をキーワードに、インターネット上に動画を配信する“ビデオストリーミング”を中核技術に位置づけ、関西圏の人材育成、技術開発などデジタル市場の活性化を目的としている。
　
このコンソーシアムの事務局は、関西でも常に最先端を走り続けるデジタルハリウッド大阪校内に置かれる。

現在は、デジタルハリウッド(株)、日本SGI(株)、(株)Too、住商エレクトロニクス(株)、(株)シャンバラの5社での立ち上げではあるが、今後会員は拡大していく。


“Motion Web KANSAI'99”

多くの企業から賛同の声、関西でデジタル系のイニシアティブをとる

記者会見では、それぞれの代表から挨拶が行なわれた。

このコンソーシアムの中心的存在である、デジタルハリウッド(株)代表取締役社長、杉山知之氏は、「関西にはデジタル系の研究施設や企業が多い。人材は厚いのだが、残念ながらデジタルコミュニケーション事業としてつながっていない。なによりも“人”が一番大切であり、“夢”を持つことがパワーの源になる。デジタル映像産業を包括する言葉として“Motion Web KANSAI”を定め、パワーを集結する場所として、市場を活性化したい」と抱負を述べた。

日本SGI(株)取締役副社長、成井弦氏は、「ほんの数年前はインターネットに動画を配信するには、かなりのパワーを必要としたが、現在はインフラが整備され、安価に動画を配信できるようになった。コンテンツ、クリエーション、アーカイブなどハードの面でいろいろな協力ができる」と語った。

(株)シャンバラ代表取締役社長、渕上智信氏は、「平均年齢が20代半ばと非常に若い人たちが中心であるというパワーを発揮する。プロデュース、マーケティング、コンサルティングなどを行ない、コンテンツのポテンシャルを上げていく方面で協力していく。デジタルメディアのオピニオンとして役割を果たしたい」という。

平面から立体へ、アナログからデジタルへ

(株)Too大阪支社統括ゼネラルマネージャー、加藤茂文氏は、「画材販売からスタートして今年で創業80周年にあたるが、デザインをとりまく環境は、平面から立体・映像、アナログからデジタルへと大きく変わっている。これらデザインを扱う人材育成にパワーを注いでいく」と締めくくった。

最後に住商エレクトロニクス(株)関西支社常務取締役、淵本正昭氏は、「これまでCG・3Dなど、いわゆるマルチメディア系のソフトを扱う一方で、いろいろなシステム開発をしてきた。これら最先端のテクノロジーを提供することによって、地域の活性化に貢献していきたい」と指針を示した。

最先端のビデオストリーミングテクノロジーを中心に、映像コンテンツを扱うこの“Motion Web KANSAI”。既に多くの企業から賛同の声が上がっている。今後関西でデジタル系イニシアティブをとるコンソーシアムとして、おおいに期待したい。


記者会見の様子。左から (株)Too大阪支社統括ゼネラルマネージャー加藤茂文氏、日本SGI(株)取締役副社長成井弦氏デジタルハリウッド(株)代表取締役社長杉山知之氏、(株)シャンバラ代表取締役社長渕上智信氏、住商エレクトロニクス(株)関西支社常務取締役淵本正昭氏