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コンパックコンピュータ、“ENSA”構想実現の製品群を発表

1999年07月27日 00時00分更新

文● 井上猛雄

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コンパックコンピュータ(株)は、21日、同社が提唱している次世代のストレージシステムの構想“ENSA”(Enterprise Network Storage Architecture) を実現する一連の新製品を発表した。“ENSA”とは、企業内のストレージシステムを統合化し、効率良く使うためのアーキテクチャーのこと。

サーバーとストレージ機器間にSAN(Storage Area Network)という光ファイバーネットワークを構成し、複数のサーバーや、物理的に分散したシステムバックアップ用/のストレージ機器を共有、一元管理できる。

今回発表したのは、このアーキテクチャーに基づいたミドルレンジのサーバー/ストレージシステム『PloLainatクラスタHA/F200』と、4月に発表された『 PloLainatクラスタHA/F500』の機能拡張版など。

サーバーとストレージ間の接続を完全2重化したクラスターシステム

『PloLainatクラスタHA/F200』は、2台のPloLainatサーバー『PloLainat1600』(または同等性能以上の同社のPloLainat サーバー)と、ストレージシステム(RAIDアレーで1.45TBまで組み込み可能)、専用光ファイバーストレージネットワークを構成するための2台のコントローラー『ファイバーチャネルコントローラ』(最大転送速度100MB/秒、マルチモード光ファイバー使用時の最大転送距離500m)、サーバーとストレージを中継する2台のHUB『ファイバチャネルストレージHUB 』、クラスター専用管理ソフトなどで構成する。

サーバーとストレージ間の接続は、完全に2重化している『PloLainatクラスタHA/F200』 サーバーとストレージ間の接続は、完全に2重化している『PloLainatクラスタHA/F200』



それぞれのサーバーとストレージ間の接続は、完全に2重化しているため、いずれかの接続に障害が起きても、システムがダウンすることはない。クラスター管理ソフトとして、ファイバーチャネルのコントローラーやHUBを管理する『Compaq Redundancyマネージャ』と、サーバー間の管理をする『Microsoft Cluster Sever』を使用している。

標準的なシステムの価格は、2台のPloLainat1850Rサーバー、 ファイバーチャネルアレー(StorageWorksRA4000に改称)を22Uラックに組み込んだデュアル構成で874万4000円。ステータス情報をウェブベースで見られるクラスター管理ソフト『インテリジェントクラスタアドミニストレータ』もバンドルする予定。

ファイバチャネルアレーは『StorageWorksRAシリーズ』に改称された
ファイバチャネルアレーは『StorageWorksRAシリーズ』に改称された



新製品のデモ。右に見えるのはPloLainatサーバーと後出のストレージ管理ソフト。左は第3四半期に出荷する予定のStorageWorks『RA8000』
新製品のデモ。右に見えるのはPloLainatサーバーと後出のストレージ管理ソフト。左は第3四半期に出荷する予定のStorageWorks『RA8000』



ストレージ関連製品のラインナップも強化

また、サーバー/ストレージ間の接続に、従来のファイバチャネルストレージHUBに加え、最大16ポートのファイバーチャネルスイッチを利用し、8台のサーバーと4台のデュアルループストレージを構成できる機能拡張版の『 PloLainatクラスタHA/F500』も発売する。

同時に、“ENSA”(Enterprise Network Storage Architecture) を実現するための、ストレージ管理ソフト『StorageWorksバーチャルリプリケータ』、バックアップ用テープドライブ装置『TLシリーズ』、ストレージ機器『ユニバーサルハードディスクドライブ』、ストレージエンクロージャー、ディスクアレーコントローラーなどのラインナップ拡充も発表した。

『StorageWorksバーチャルリプリケータ』は、企業内のストレージ機器を仮想のストレージプールとして統合的に管理できるソフト。WindowsNT環境で最大1TBの仮想ディスクを構築でき、リアルタイムに近い速度でデータの仮想コピーができる『スナップショット』機能を備えている。価格は20万円。

バックアップ用テープドライブ装置『TLシリーズ』には、35GBまたは70GBのテープカートリッジを10巻まで実装できる『TL891』と、20GBまたは40GBのテープカートリッジを10巻まで実装できる『TL881』とがある。専用の拡張ユニットでカスケード接続でき、それぞれ最大で3.15TB、2.31TBまで増設できる。価格は『TL891』が240万円から、『TL881』が168万円から。

バックアップ用テープドライブ装置『TLシリーズ』
バックアップ用テープドライブ装置『TLシリーズ』



ハードディスク関連製品は高速大容量

『ユニバーサルハードディスクドライブ』は、同社のPloLainatサーバー以外に、Alphaサーバーにも使用できる1インチハイトのHDD。ホットプラグ対応で、回転数7200rpmの9.1GBと18.2GBタイプ、1万rpmの9.1GBタイプをそろえている。価格は14万円から(回転数7200rpmの9.1GBタイプ)。

『Storage Worksエンクロージャ4200ファミリ』は、1インチハイトのHDDを14台収納できるストレージエンクロージャー。インターフェースはUltla2 Wide SCSIに対応し、オプションでデュアルバス化も可能。Alphaサーバー用の機種も発売する予定。タワー型が42万円、ラックマウント型が45万円。

ディスクアレーコントローラー『Smartアレイ4200コントローラ』は、ハイエンド用のストレージコントローラー。 最大転送速度は320MB/秒で、Ultla2 Wide SCSIポートを4チャネル備えている。前出の『Storage Worksエンクロージャ4200ファミリ』と併用し、約2MBのストレージ(9.1GB×4チャネル×14台)を構成できる。価格は40万円。

Ultla2 Wide SCSIポートを4チャネル備えた『Smartアレイ4200コントローラ』
Ultla2 Wide SCSIポートを4チャネル備えた『Smartアレイ4200コントローラ』



なお、現行のバックアップ製品やディスクドライブ装置などの価格改定を行なう。引き下げ率は最大41パーセント(Ultla2 Wide SCSI対応の9.1GB・HDDの場合17万円から10万円へ値下げ)。

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