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インプライス、ビジュアルアプリケーション開発ツール『Borland Delphi』の最新バージョンを発表

1999年07月12日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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インプライズ(株)は、ビジュアルアプリケーション開発ツール『Borland Delphi 5』のプレス向けブリーフィングを開催した。

『Delphi 5』サンプル画面
『Delphi 5』サンプル画面



Delphiには、COMやCORBAなどさまざまなアーキテクチャーをベースにした多層分散システムを構築するためのコンポーネント“MIDAS(Multi Distributed Application Services Suite)”が用意されているが、Delphi 5では、MIDASで構築した多層分散システムを、XMLやHTMLで利用するためのコンポーネントを提供する“InternetExpress”が追加された。
Internet Expressには“XMLBroker”と“MidasPageProducer”というコンポーネントがあり、ウェブアプリケーションモジュールと組み合わせて利用する。XMLBrokerは、MIDASの接続を管理するコンポーネントと連携し、XML形式のクライアント用データパケットを生成するもの。MidasPageProducerは、XMLBrokerが生成したデータパケットとJavaスクリプトを使って、データアクセスが可能なHTMLページを作成できる。

“MidasPageProducer”画面
“MidasPageProducer”画面



また、データモジュールをビジュアルに設計できる“データモジュールデザイナー”機能を搭載している。ツリービューに表示されたデータベースコンポーネントを、データダイアグラム画面にドロップしたり、2つのコンポーネントを線でつないだりすることで、データ関係を図式で表示できる。

データアクセス機能では、ADO(ActiveX Data Objects)をサポートした“ADO Express”や、“InterBase Express”を新たに搭載する。ADO Expressは、BDE(Borland Database Engine)のかわりにADOを利用してデータにアクセスするためのコンポーネント。InterBase Expressは、同社のRDBMS『InterBase』をダイレクトに制御するコンポーネントで、特定のデータベースエンジンに依存しないため、従来より高速な処理を実現できるという。

さらに、“フレーム”機能が拡張され、設計したフレームをフォームに配置できるようになった。生成したフレームをリポリトジとして登録することで、他フォームやプロジェクトでも利用できる。その場合、登録したフォームの設定を変えると、他プロジェクト内に配置された同フォームも自動的に変更される。

プロジェクトを完成させるためにしなければならないことを“To Doリスト”画面で管理できる。プロジェクトやソースモジュールに対して、しなければならないこと(To Do項目)をコメントとして登録できる。ソースモジュールに対するTo Do項目は、ソースユニット内にコメントとして自動的に埋め込まれる。また、1つのプロジェクトを複数人で開発する際は、ローカルやリモート上にあるプロジェクトや更新履歴などを管理できる“TeamSource”機能を利用できる。

“To Doリスト”画面
“To Doリスト”画面



そのほか、アプリケーションオブジェクトとモジュールオブジェクトのアプレットを生成する“コントロールパネルアプリケーションウィザード”を搭載する。生成したアプレットは、Windowsのコントロールパネルに追加できる。

Delphi 5は、Learning版、Professional版、Enterprise版の3製品が用意される。対応OSはWindows 95/98/NT4.0で、発売日や価格などの詳細は、8月中旬に正式発表するという。

同社代表取締役社長の大木博氏「Delphiは、ワールドワイドで100万人のユーザーがおり、日本では4万ライセンスが出荷されている。6月に米本社と米マイクロソフト社が提携したことで、より質の高い高機能な製品をマイクロソフトと協力してリリースする。Windows環境にもコミットするし、UNIX環境も引き続きサポートしていく」同社代表取締役社長の大木博氏「Delphiは、ワールドワイドで100万人のユーザーがおり、日本では4万ライセンスが出荷されている。6月に米本社と米マイクロソフト社が提携したことで、より質の高い高機能な製品をマイクロソフトと協力してリリースする。Windows環境にもコミットするし、UNIX環境も引き続きサポートしていく」



同社マーケティング部プロダクトマネージャーの大野元久氏「Delphi 5では、インターネットに対応した機能を大幅に強化し、インターネットや電子商取引向けアプリケーション開発が容易になった」同社マーケティング部プロダクトマネージャーの大野元久氏「Delphi 5では、インターネットに対応した機能を大幅に強化し、インターネットや電子商取引向けアプリケーション開発が容易になった」



なお同社は、9月7日に開催するDelphiの無償セミナー“Delphi Day”の申し込み受付を、同社ホームページ上で開始した。Delphi Dayは、“WORLD PC Expo 99”の併設セミナーで、Delphi 5の情報や、ユーザー導入事例、『Visual Basic』からの移行方法などを紹介する。定員は300人(先着順)。

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