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【データウェアハウスEXPO/データストレージEXPOレポート】--データをビジネスに生かせ

1999年07月09日 00時00分更新

文● 浅野純一

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東京・江東区の東京ビッグサイトで7日から9日までの3日間、“データウェアハウスEXPO”と“データストレージEXPO”が開催された(主催:リード エグジビション ジャパン(株)。データウェアハウスとは、企業が持つ膨大なデータ・情報のこと。現在、このデータをもとにさまざまなビジネスにつなげることが必要不可欠とされており、それを支援するアプリケーションやソフトウェア環境は非常にホットな市場となっている。SCM(Supply Chain Management)、ERP(Enterprise Resource Planning)、OLAP(Online Analytical Processing)、CRM(Customer Relationship Management)などのタームはこうした技術とビジネスを結ぶ主なキーワードだ。

オラクルは“The BEST for CRM”を掲げて『Oracle8i』、『OracleCRM』、『OLAP Server』などをアピール
オラクルは“The BEST for CRM”を掲げて『Oracle8i』、『OracleCRM』、『OLAP Server』などをアピール



なかでもSCM。サプライチェーンは「流通連鎖」と訳されるが、最近の製造業では非常に重視されている。例えばパソコンメーカー。従来はHDDなどの部品を3ヵ月スパンで発注していたが、この業界では3ヵ月の間に価格が下がることも珍しくはない。結果、先を見越して部品を確保したのはいいが、結果的にコストが高くついてしまい、製品の価格に跳ね返ってくることもある。そこでこれを1ヵ月や2週間といったより短い単位での発注、管理をキメ細かに行なうことで、最適な価格・最適なタイミングで購入しようというわけだ。これを可能にするのが、コンピューターとネットワークなどのIT製品。最近のパソコンメーカーはどこもSCMを採り入れており、低価格帯パソコンの登場もこれと無関係ではない。

富士通は『SymfoWare』ファミリーを展示。データ分析やDBMS、パラレルサーバー製品を並べた。説明員がズラリと出迎える
富士通は『SymfoWare』ファミリーを展示。データ分析やDBMS、パラレルサーバー製品を並べた。説明員がズラリと出迎える



このほか、顧客管理として問い合わせがあった内容を自動的にデータベース化したり、ダイレクトメールを送る顧客をさまざまな条件で抽出したりと、データウェアハウス技術はさまざまな局面で活躍し始めている。

コンパックはノンストップサーバー『Himalaya』や『AlphaServer』などのハードウェアを展示した
コンパックはノンストップサーバー『Himalaya』や『AlphaServer』などのハードウェアを展示した



これまでのOA化と異なるのは、よりインテリジェンスになったこと。コンピューターやネットワークのパフォーマンスが大幅に上がったことで、より高度な処理が可能になったことが一因だ。たとえばデータベースからの抽出でも、より複雑な検索や条件付けが可能になっているし、アプリケーション技術も高度化している。今回のイベントではデータウェアハウス構築に必要なハードウェアやサーバー、データ分析・解析・抽出・転送の各種ツール、ミドルウェア製品などが多数展示された。

ジャストシステムは、データ検索エンジン『ConceptBase』とその応用システムを展示した
ジャストシステムは、データ検索エンジン『ConceptBase』とその応用システムを展示した



同時開催された“データストレージEXPO”は、昨年までデータウェアハウスEXPO内で行なわれてきた大容量・大規模記憶装置関連製品の展示を独立させたもの。企業ユーザーが膨大なデータを保存するデバイスとあって、TB(テラバイト)クラスのストレージが多数展示された。従来のHDDやテープメディアに加え、DVD-ROMやDVD-RAMを使った製品も展示された。たとえば日本ビクターはDVD-RAMチェンジャーを、またNTTはDVD-RAMチェンジャーにRAIDを実装して、信頼性を高めた映像配信システムを展示した。また、ストレージ間を結ぶネットワーク技術としてSAN(Storage Area Network)が注目を集めているが、SANを構成するプロトコルであるFibre Channel関連の製品も展示されていた。ちなみにFibre Channelは転送速度1Gbps、接続距離10kmを誇っている。

ソニーのテープストレージ製品。奥がテラバイトの上、ペタバイト(PB)レベルの実装が可能な『PetaSite』
ソニーのテープストレージ製品。奥がテラバイトの上、ペタバイト(PB)レベルの実装が可能な『PetaSite』



ティアックは松下製デジタルテープ『DVCPRO』ベースのテープドライブを展示
ティアックは松下製デジタルテープ『DVCPRO』ベースのテープドライブを展示



NTTはDVD-RAMチェンジャーにRAID機能を実装させた画像転送システムを展示。6つのチェンジャーのうち1つがパリティを受け持つ
NTTはDVD-RAMチェンジャーにRAID機能を実装させた画像転送システムを展示。6つのチェンジャーのうち1つがパリティを受け持つ



日立のメインフレーム用世界最高速ハードディスク。毎分12000回転で動作する
日立のメインフレーム用世界最高速ハードディスク。毎分12000回転で動作する



Fibre Channel関連メーカーが集まるファイバーチャネル協議会のブースも
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手前からSLR、DAT、AIT、DLCの各メディア。このほかにも光ディスクやMO、DVDなどたくさんのメディアがある
手前からSLR、DAT、AIT、DLCの各メディア。このほかにも光ディスクやMO、DVDなどたくさんのメディアがある



DRAMを使ったシリコンメモリも展示された。クアンタムのブース。4GBの容量を持つ製品もある
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