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【日刊京都経済 特約】現代の「盆景」はデジタルで--宇治のベンチャーがソフト開発

1999年07月08日 00時00分更新

文● 日刊京都経済

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京風日本庭園--夕立や淡雪など忠実に表現

ソフト開発のベンチャー企業、ブルーブラッド(宇治市槙島町落合、吉田 光広社長)は、京都風の日本庭園を自分で設計してパソコン上に創作できるソフトウエアを開発した。画面を見ながらマウスの操作だけで簡単に庭造りをすることができる、いわば現代版「盆景」。理科年表などを参照して実際の京都の気候をソフト上で再現しており、季節に応じて夕立や淡雪などの情緒を表現できるという。比較的若い年齢層を対象に、書店などをルートに販売していく。



今回のソフトはいわゆる「ヒーリング」(癒し)ソフトと呼ばれるものだ。同社によると、ヒーリングソフトとしては疑似ペットをパソコン上で育てる「育成ソフト」が多くでているが、お盆の上に日本的な風景を創作する「盆景」をモチーフにしたソフトは例がないという。

ソフトは立体(3D)表現ができ、自分で場所や場面を設定して組み立てていく。タイマーを設定することで時系列的に風景が変化していくようにもできる。英語版も同時に開発した。

対象にしているユーザーは「20代後半から30代の男性」「30代から40代の女性」「日本に関心のある外国人」。現在、京都市内のジュンク堂書店(四条通)と丸善(河原町通)で販売しているほか、インターネット上でも通信販売している。

開発者の吉田氏は時計の営業マンや大手ホテルのホテルマンを経験した後に独学でプログラミングを学び、大手ゲームソフト開発会社を経て5年前からフリープログラマーとして活動してきた。今回のソフトのアイデアがまとまったことから昨年8月に会社を設立し、事業化に乗り出した。

吉田氏は「個々の技術では他社の追随もあると思うが、総合的に京都の情緒を表現するノウハウはまねができないと思う」と話している。

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