ダン アンド ブラッドストリート ジャパン(株)と(株)SASインスティチュート
ジャパンは、企業の資材/部品調達業務を効率化し、戦略的な調達業務を可能にする『D&B/SAS
Supplier Relationship Management』(以下SRM)を発表した。SRMは、SASと同社のアライアンスパートナーを通じ、2000年第1四半期に提供開始予定。
D&B社の村上隆生代表取締役社長(左)と、SAS社のデイヴィッド C.フェンダー(David C. Fender)代表取締役社長(右) |
SRMは、SASが提供しているデータウェアハウスソフトウェア『SAS/Warehouse
Administrator』を中心とした、データウェアハウスおよびオンライン分析処理技術と、D&Bが提供する世界5300万社におよぶ企業をコード化した企業情報データベース*『ダンズナンバー(DUNS)』およびグローバル商品識別データベース*『UN/SPSC』から構成される。
*ダンズナンバー:『D-U-N-S Number(DUNS)』は、D&Bが開発した、9桁の数字からなる企業識別番号。企業単体だけでなく、支社や子会社、工場などにも振られており、企業の階層関係をも表わしている。
*UN/SPSC:国際連合(国連)とD&Bが共同で開発したグローバルなオープン製品分類コードシステムで、政府/企業の購買部門で商品・サービスを分類する国際標準。現在、電子商取引の対象となる製品/サービス8300種類に付与されている。
大企業、とりわけ世界に支社を持つような企業においては、数十の調達部門を持つことはまれではなく、それぞれの調達部門においてばらばら調達を行なっているが、そのままでは、調達取引全体を把握することは非常に難しい。SRMの導入により、これらの関係する調達業者や調達製品情報を迅速に把握することができるようになり、効率的な資材/部品に関する戦略的な意思決定が可能になるとしている。
取引関係の整理・統合や重複する発注や仕入れ作業の削減、ボリュームディスカウントによる調達コストの削減、およびダンズナンバーで管理することによる調達先の財務状況を考慮した意思決定が可能になることで、調達先リスクの把握も可能という。結果として、5~15パーセントの調達コストが削減できるとしている。
両社は米国においてはすでにこうしたサービスを提供しており、今回は日本市場に向けての発表。年内に数社のベータサイトを見つけ、テスト的に運用を開始したいという。実際の作業については、調達部門・子会社などでばらばらの基幹システムやデータベースの統合作業、データ(コード)の一元化などに3~6ヵ月、金額にして数千万円のオーダーとなるという(本格的な大企業への導入に関してはさらに数億円のオーダーとなるという)。来年のサービスの正式提供後には、数十社に提供していきたいとしている。