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NTTデータ、衛星回線を利用して事業所間連携が可能なERPパッケージを発表

1999年07月05日 00時00分更新

文● 編集部 白神貴司

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(株)NTTデータは5日、同社の統合業務パッケージソフトウェア『A.S.I.A.(エイジア) Ver.2.5 』の機能強化版、『A.S.I.A. Ver.2.5 Prestige』を、30日に出荷を開始すると発表した。

NTTデータの岡部摩利夫プロジェクトマネージャー
NTTデータの岡部摩利夫プロジェクトマネージャー



A.S.I.A.シリーズは同社が'96年に販売を開始したERPパッケージで、最新版の『A.S.I.A. Ver.2.5』は'98年12月に発表されている。A.S.I.A. Ver.2.5は、“システム管理モジュール”や“一般会計モジュール”など21種類のモジュールで構成され、会計、販売管理、購買管理、生産管理などの基幹業務処理が行なえる統合業務パッケージ。

連結決算やキャッシュフローなどの国際会計基準に準拠し、マルチ通貨(円、ドル、ユーロなど10種類)、マルチ言語(日本語、中国語、スペイン語など7言語)に対応している。これにより、通貨や言語の異なる国々の各拠点で、最小限のカスタマイズで同等のシステムを構築できるという。これまで、オムロン(株)や三洋電機(株)など、10カ国、100サイト以上の導入実績があるという。

今回発表したA.S.I.A. Ver.2.5 Prestigeは、A.S.I.A. Ver.2.5の機能強化版となる。強化点はネットワーク部分で、専用線などで構築された企業のWAN(Wide Area Network)およびW-WAN(World-Wide Area Network)における複数拠点の管理機能を強化したという。A.S.I.A. Ver.2.5 Prestigeを導入した各国の拠点などを専用線や衛星回線などで接続し、データの共有やリアルタイムでのシステム連携を可能とする。ターゲットとなるのは、海外に複数拠点を持つ日系企業となる。

A.S.I.A. Ver.2.5 Prestigeにより、企業は各国の拠点において、取引データや仕訳データなどを日本の本社システムでリアルタイムで一元管理することが可能になる。これにより、連結決算を行なう際に必要となるグループ企業間の取引明細や外貨決済の適用レート、SCM(*1)において重要となる各拠点のデータの収集をサポートする。

ネットワーク以外の機能強化点としては、シンガポールのGST(*2)や日本の消費税など、国や地域ごとの税制に対応できるようにした。また、クライアントのアプリケーションとして、Office 2000をサポートしている。

同社によれば、システムの提案やコンサルティング、ソフトウェアのカスタマイズ、導入テストなどのシステムサポートはNTTデータが提供する。また、通信回線など新規のインフラが必要なユーザーに対しては、グループ企業のNTT国際通信(株)やNTTコミュニケーションズ(株)と共同でハードウェア、ソフトウェアを含めたサービスを提供するという。

導入事例として、三洋精密(株)を挙げ、同社のシンガポールとインドネシアの事業所を衛星回線で結び、システムとデータの共有化を実現したという事例を紹介した。

A.S.I.A. Ver.2.5 Prestigeは、会計や受注管理、販売管理、発注管理など計21種類のモジュールで構成される。価格は、1モジュール当たり10~50万円。対応OSはWindows NT Serverで、クライアントはWindows 98/95/NT4.0をサポートする。

NTTデータでは、出荷は8月を予定しており、今年度中に200サイトに導入したいとしている。同社の岡田摩利夫プロジェクトマネージャーによると、現在20社以上の引き合いがあり、すでに2~3社と導入に関する契約を結んだという。そのうち1件は、9つの拠点を衛星回線で結ぶという大規模なもので、契約金額は1億円に上るという。

注1)SCM:Supply Chain Management。製造業などを対象とした生産・物流管理システム。原材料購入から製品出荷までの物流や、在庫などの管理を行なう。米国では消費財、ハイテク関連企業などを中心に導入されている。

注2)GST:Goods and Service Tax。日本で言う消費税。シンガポールでは'94年に導入された。ほとんどの物品を購入する際に一律3パーセントの税金が徴収される。

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