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【詳報】バンダイ、携帯ゲームWonderSwan専用の通信アダプターとカセットを年末に発売--インターネットが接続可能に

1999年06月24日 00時00分更新

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(株)バンダイは、同社の携帯ゲーム機『WonderSwan(ワンダースワン)』専用の通信アダプターとカセットを開発し、'99年末に発売すると発表した。名称は『Wonder Gate(ワンダーゲート)』(仮称)。価格は未定となっている。

Wonder Gateを利用して携帯電話とWonderSwanを接続したところ
Wonder Gateを利用して携帯電話とWonderSwanを接続したところ



Wonder Gateの通信アダプター(右)とWonderSwan本体(左)
Wonder Gateの通信アダプター(右)とWonderSwan本体(左)



通信アダプターをWonderSwan本体に装着した様子。装着してもまったく違和感のないデザインとなっている
通信アダプターをWonderSwan本体に装着した様子。装着してもまったく違和感のないデザインとなっている



ブラウザー機能とメーラー機能を搭載

通信アダプターはモデムに相当するもので、WonderSwan本体側面の通信ポートに装着し、携帯電話やPHSに接続することでインターネット接続が可能になる。インターネット接続用プロトコルのTCP/IPとPPP、およびデジタル携帯電話通信プロトコルPDCを実装する。また、順次PDC-P(パケット通信)や、PIAFS(PHS)にも対応していくという。

アダプター機能をバージョンアップは、バージョンアップデータをダウンロードすることで行なう。電源は単4電池1本で、連続5時間までのデータ通信が可能。対応するデータ通信速度は、9600bps~最大38.4Kbps。これは、WonderSwan本体の通信ポートが最大38.4Kbpsまでしか対応していないためという。想定サイズは、高さ70×幅40×厚み23mm。

裏面には接続ケーブルを収める溝が切られている
裏面には接続ケーブルを収める溝が切られている



通信カセットは、WonderSwan本体のゲームカートリッジ差込部に装着するもので、ウェブブラウザー機能、メーラー機能、ミニゲームのダウンロード機能を搭載する。

ウェブページ閲覧用のブラウザーは、HTML3.2サブセット対応で、テーブルタグやGIF、アニメーションGIFを表示可能。ただしフレームには対応していない。文字セットはJIS、S-JIS、EUCを自動認識し、フォントは12ドットと8ドットの大小2段階に対応している。同社ニュープロパティ開発部部長の林俊樹氏によると、「日本語表示はまったく問題ない」という。

ブックマークは20件まで登録可能。ワンボタンで“http://www”を入力できるURL入力支援ツールも用意されている。メニューの選択などブラウザー画面の操作は、WonderSwanの十字キーで行なう。

インターネットに接続し、WonderSwanにYahoo!のページを表示するデモも行なわれた
インターネットに接続し、WonderSwanにYahoo!のページを表示するデモも行なわれた



電子メール機能は、POP3とSMTPに対応。アドレスを50件まで登録でき、メールは320字程度のものを100件まで保存可能。HTMLメールにも対応し、画像ファイル(GIF形式)をメールに添付することも可能。文字の入力には、付属のソフトウェアキーボードを搭載する。

ダウンロード機能は、バンダイのウェブサーバー上に用意された32KB程度のミニゲームをダウンロードできるというもの。ダウンロードした後は、自動的に回線が切断され、ゲームが起動するという。

Wonder Gateの普及に向け開発者環境も用意

また同社は、ソフト開発者向けに独自プロトコル“SIP(Swan Internet Protocol)”を開発すると発表した。SIPはWonder Gateの通信カセット側でデータ通信状況を認識できるもので、開発者側はSIPに対応することでWander Swan用のネットワーク対応ソフトの開発が容易になるという。

同社専務取締役の石上幹雄氏は、「WonderSwanの出荷台数は7月末で累計100万台を突破する見込み。Wonder Gateを利用してネットワークに接続することで、WonderSwanが手軽なPDAに変身する。Wonder Gateを使ってモバイルエンターテインメントを実現したい。Wonder Gateは当社の新しい挑戦だ」と語った。

購入は携帯電話ショップで

Wonder Gateは携帯電話・PHSの通信業者を通して販売され、販売する通信業者ごとに接続先が異なる仕組みになるという。携帯電話およびPHSの対応機種については「幅広く対応したい」(石上氏)としている。価格は未定だが、WonderSwan本体の価格(4800円)に近いものになる見込み。

同社SWAN事業部部長の大下聡氏は、Wonder Swanの現状と今後の展開について説明を行なった。

「WonderSwanの年齢別ユーザー構成比をみると、16歳以上が全体の55パーセントを占めており、実際に携帯電話を保有している年齢層と一致する。現在はヘビーユーザーが主だが、今後はライトユーザーに向けても普及活動を行ない、12月末には出荷台数220万台を目指す」

左から、石上取締役専務、大下SWAN事業部部長、同社ニュープロパティ開発部部長の林俊樹氏
左から、石上取締役専務、大下SWAN事業部部長、同社ニュープロパティ開発部部長の林俊樹氏



今後のWonderSwanの展開として、7月22日に新色のツートンタイプ3機種を発売するほか、ビジュアル化した小説をWonderSwanで楽しむ“ノベルシアターシリーズ”の投入、音楽ゲーム分野の拡大などを行なうという。
<credit>(株)バンダイは、同社の携帯ゲーム機『WonderSwan(ワンダースワン)』専用の通信アダプターとカセットを開発し、'99年末に発売すると発表した。名称は『Wonder Gate(ワンダーゲート)』(仮称)。価格は未定となっている。

・ワンダースワン公式サイト
 http://www.swan.channel.or.jp/

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