このページの本文へ

ヤマハ、最新ヒット曲やラジオ番組をインターネットで配信すると発表

1999年06月24日 00時00分更新

文● 編集部 原武士

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ヤマハ(株)は、インターネットを利用したデジタル音楽の配信システム“MidRadio(ミッドラジオ:Music Integrated Digital content Radio)”を発表した。同システムは、ウェブを利用して、音楽の無料試聴サービスの提供と、音楽データのオンライン販売を行なうもの。同サービスの利用には、同社がウェブサイトで提供するソフトウェア『MidRadio Player』が必要となる。

MidRadio Playerは画面の端に貼り付けて利用できる
MidRadio Playerは画面の端に貼り付けて利用できる



このシステムは、(社)日本音楽著作権協会(JASRAC)の承認を得ており、最新のヒット曲などをMIDIデータを中心としたコンテンツとして配信する。また、日本電信電話(株)(NTT)の開発したデジタルオーディオ圧縮技術“SoundVQ”を利用し、音声とMIDIデータをあわせたラジオ番組形式のコンテンツも配信する。ユーザーは無料でコンテンツを利用できるかわりに広告が表示される仕組み。

配信番組数は13チャンネル

MIDIデータの配信は、Jポップやロックなど、音楽のジャンル別に10種類のチャンネルが用意される。また、ラジオ番組形式のコンテンツを配信するスペシャルプログラムとして、アーティストが監修するMIDIデータを配信する番組“アーティストチャンネル”、MIDIコンテンツを紹介する“Club MIDI”、インディーズの音楽をSoundVQで配信する“Stream Indies”を用意している。配布するMIDIデータは、同社のXG規格に対応する。

ユーザーは、ネットワークに接続した状態で番組を聞くことができる。1度ダウンロードしたデータは、72時間キャッシュに保存される。キャッシュに保存されている間はオフラインでも番組を聞くことが可能。

MidRadioで利用される番組は、同社が開発したXML準拠のMRML(MidRadio Markup Language)という言語で配信される。同社では、今後このMRMLの仕様を一般公開し、一般ユーザーでもMidRadioによるオリジナルコンテンツの配信をできるようにしたいという。

音楽データの価格は1曲200円から300円、データの販売は7月1日に開始する予定。『MidRadio Player』は25日からダウンロードできる。Playerの対応OSはWindows 95/98で、10月にはMacOS対応版の配布を予定している。また、近いうちに、データの検索機能を提供する予定という。

著作権保護には独自の電子透かしを採用

試聴用のデータは、同社が開発した電子透かし“MidStamp”の埋め込みと暗号化の組み合わせで著作権の保護を図っている。オンライン販売には、NTT情報開発(株)の開発した“Infoket”技術を利用した、ユーザー認証および認証鍵の発行システム“BISKETS”を利用している。同システムは、ユーザーが曲データを購入した後に、ランダムな認証鍵(パスワード)を作成し、その鍵を使って暗号化したファイルと鍵を共にユーザーに送信するもの。

BISKETSは、NTT、同社などを含む7社が参加する電子商取引の実証実験“知の市場”において、認証・課金、配信システムとして利用されるもの。知の市場は、7月から12月までの期間限定の実証実験だが、実験終了後もMidRadioシステムで利用が続けられる。

コンテンツ保護のしくみ
コンテンツ保護のしくみ



同社取締役事業開発本部長兼デジタルシステム統括本部長の和智正忠氏は、同システムの開始について次のようにコメントした。

和智氏
和智氏


「MidRadioは、つないで、聞いて、気に入ったら購入するという、音楽の試聴配信システム。坂本龍一氏の演奏するサウンドを聞くことのできる“坂本龍一チャンネル”など、著名アーティストによるスペシャルコンテンツを配信していく。MIDIデータに関しては、年内には1万曲を提供したい。また、MidRadioは先進的情報開発システム電子商取引実証実験“知の市場”の音楽コンテンツの試聴配信システムとして導入する」

同システムの使用例として、配信される曲とのバーチャルセッションが紹介された
同システムの使用例として、配信される曲とのバーチャルセッションが紹介された

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン