日本AMD(株)は24日、同社がx86対応の第7世代プロセッサーに位置付ける『AMD
Athlonプロセッサ』(読み方はAMDアスロンプロセッサ)の出荷を開始したと発表した。これは、今まで“K7”というコードネームで呼ばれていたもので、『AMD-K6
プロセッサ・ファミリ』に比べて機能や性能が向上しているという。第1世代のAthlonプロセッサは、0.25μmルールで製造され、2200万トランジスターを集積している。動作クロック周波数は、600MHz、550MHz、500MHzの3種類。プロセッサーモジュールの形状は、米インテル社のPentium
IIで採用されているSlot1と物理的に同じSlotAモジュールを採用している。ただし、バスプロトコルはAMD
Athlonシステムバスを採用。
『AMD Athlonプロセッサ』 |
主な特徴は以下の通り
・スーパーパイプライン化された9個の命令を発行するスーパースケーラー・マイクロアーキテクチャー
・フル・パイプライン化されたスーパースケーラー浮動小数点ユニット
・128KBのオンチップL1キャッシュとプログラマブルなバックサイドL2キャッシュ・インターフェース
・“3DNow!テクノロジ”の拡張やマルチメディア性能の向上
・AMD Athlonシステムバス(Alphaプロセッサーで使用されている『EV6』バスプロトコルをベースにした200MHzのシステム・インターフェース)
従来のK6プロセッサ・ファミリに搭載されていた“3DNow!”命令24個に、新たに整数演算命令19個、DSP命令5個が加わった。このうち整数演算命令は、PentiumIIIプロセッサの“インターネット・ストリーミングSIMD命令”に対応するものという。
Athlonプロセッサの価格は、1000個受注時で600MHz版が9万870円、550MHz版が6万2270円、500MHz版が4万2120円で、本日から出荷開始。Athlonプロセッサを搭載したエンドユーザー向けシステムの出荷開始は'99年第3四半期の予定。
日本AMDでは、現時点でAthlonプロセッサのパフォーマンスの詳細について明らかにしていないが、同クロックのPentiumIIIプロセッサをはるかに上回るという。また、Athlonプロセッサに対応するチップセットなどの予定も明らかにされていない。Athlonプロセッサの対応マザーボードの製造については、台湾ASUSTeK
Computer社、Biostar Microtech International社、First International Computer(FIC)社、MicroStar社、Gigabyte
Technology社と協業しており、パソコンのセットメーカーにはこれらのメーカーからマザーボードが供給されるとみられる。