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ゲン・テック、デジカメによる3次元コンテンツの制作方法を紹介

1999年06月21日 00時00分更新

文● 編集部 原武士

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(株)ゲン・テックは、同社が開発した3Dモデリング作成キット『Gen-Trix Web Studio』の記者説明会を開催した。

ゲン・テックは、主に3次元データの作成用のソフトウェアを研究・開発するベンチャー企業。同製品は、キット付属の専用撮影台“WebStudio”に載せた被写体を複数の向きから撮影し、その画像を元に3次元モデルを作成する“イメージベースド・モデラー”と呼ばれるもの。同社の開発した、視差を利用した3次モデリング技術“Gen-Trix”を採用している。

・【関連記事】ゲン・テック、3Dモデリングソフト『Gen-Trix Web Studio』を発売
  http://www.ascii.co.jp/ascii24/
  call.cgi?file=issue/990601/soft03.html

データの出力形式は独自形式。作成したデータは、同社のウェブサイトで配布される無料の再生専用プラグイン『Gen-Trix ビューワ・プラグイン』を利用することで、ブラウザーで表示・操作できる。また、VRMLやDXF形式によるデータ出力にも対応している。

3次元コンテンツを作る

説明会では、たばこの箱を使って簡単な3次元データを作成した。

まず、WebStudioの隅に、付属の六角柱を設置する。この六角柱が、モデリングする際の指標となる。そして、たばこの箱をWebStudioに設置し写真を撮る。その際、物体の全面がまんべんなく含まれるように撮影する。モデリングには2枚以上の写真があればよいが、今回は計4枚の写真を撮影した。

小さくて見にくいが、WebStudioの中心にカーキ色のたばこの箱がある
小さくて見にくいが、WebStudioの中心にカーキ色のたばこの箱がある



説明会では回転台を使い、WebStudio自体を回転させて撮影した
説明会では回転台を使い、WebStudio自体を回転させて撮影した



次に、撮影した画像をモデリングソフトで読み込む。読み込んだデータにはサムネイルで表示され赤い枠がつく。この赤い枠は、データを作成するための位置調整(キャリブレーション)が終了していないことを意味する。撮影した画像すべてに位置調整を行なう必要がある。

位置調整は、撮影した画像の六角柱に、ラインフレームで表示される六角柱を重ねることで行なう。線で描かれるフレームの各頂点を、撮影した画像の対応する頂点にドラッグすることで、撮影したカメラの位置と、視点の向きが計算される。

線で表現される六角形と画像の六角形を重ねあわせる
線で表現される六角形と画像の六角形を重ねあわせる



次に、撮影した画像を、2枚以上並べて表示し、3次元データとして取り出したい部分の注目点(頂点や、輪郭部分など)をマウスでクリックしていく。クリックした点は、作成する3次元データの頂点になる。1枚の画像でマウスをクリックすると、他の画像に補助線が表示される。これは、クリックした画像の頂点に対応する位置の頂点が補助線上にあるというもの。補助線の上から対応する点をクリックする。これを繰り返し、物体の頂点を選択していく。最終的に、ポリゴンを自動作成すると、画像からテクスチャーデータが取り込まれ、3次元データが作成される。

頂点を選択していく
頂点を選択していく



途中経過をプレビューすることも可能
途中経過をプレビューすることも可能



最後に作成したデータをブラウザーで参照した。データを出力する際に、同時に出力されるHTMLファイルのタグを、そのまま利用することで、ウェブで3次元コンテンツを配信できる。データの表示と拡大・縮小と回転に特化した独自形式のプラグインを利用したほうが、VRMLのプラグインを使って画像を表示するより動作が軽くなる。また、使用するテクスチャーにより異なるが、データサイズもVRMLに比べ若干小さくなるという。

ブラウザーで表示させたところ
ブラウザーで表示させたところ



同社のウェブサイトでは、同製品の紹介、製品の注文のほか、サンプルデータの配布、ビューワープラグインのダウンロードサービスなどを提供している。

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