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ビジネスカフェ、“対米進出をステップにした起業成功事例セミナー”を開催

1999年05月27日 00時00分更新

文● 編集部 清水久美子

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(株)ビジネスカフェは、26日、“対米進出をステップにした起業成功事例セミナー”を開催した。

ビジネスカフェは、NPO(NonProfit Organization=民間非営利組織)であるスマートバレージャパンの協力を得て、'99年1月に設立された会社。アメリカに進出しようと、あるいはすでに進出している日本法人、各種団体、および日本に進出しようとしている米国法人などを対象として、ビジネスサポートを提供している。日米の事業協力ネットワークを構築し、両国の産業などの発展を目指している。いわゆるインキュベーター的な存在だ。

今回のセミナーでは、ビジネスカフェ会長でSVJ代表の伊東正明氏、また、アメリカでのビジネス経験を活かして日本で起業した、エーアンドピープル(有)代表取締役の浅野満知子氏などによる講演が行なわれた。

SVJ代表兼ビジネスカフェ代表取締役 伊東正明氏
SVJ代表兼ビジネスカフェ代表取締役 伊東正明氏



まず、伊東氏はビジネスカフェを設立した経緯を説明。「現在、日本は世界中で起業精神がない国だと認識されている。こうした中、日本のベンチャー企業や個人に対して海外での起業支援を行なうことを目的に、ビジネスカフェをサンノゼに設けた。なぜシリコンバレーを選んだかといえば、この場所は常にチャレンジ精神あふれる場所だから。転職、倒産、情報交換の3つが許される場所である」

「シリコンバレーでは、たとえ失敗したとしても、その後も続けていくことに価値がある。投資家も次に投資する場合、1度倒産を経験した人を選択する。少なくとも同じ失敗はしないだろうという理由からだ。ダメになったら、自分たちの力で立ち直すという精神が溢れている」

「ビジネスカフェを設立にあたって、かなり厳しいスケジュールで取り組んできた。'98年7月に準備を始め、'98年12月にカリフォルニア州へ登記申請したが、この時点では株主も決まっていない状態だった」

「確かに無謀なスケジュールだったが、なぜこれが実現できたかといえば、シリコンバレーにはそのための風土があったから。実態がぼろぼろでも会社はできる。資本金をいくら集めたからって成功するとは限らない。まずは始めることが重要だ」と強調した。

サンノゼにあるビジネスカフェ/cap>
サンノゼにあるビジネスカフェ/cap>



ビジネスカフェのクライアント第1号はascii24でも活躍中のKNNの神田敏晶氏
ビジネスカフェのクライアント第1号はascii24でも活躍中のKNNの神田敏晶氏



ビジネスカフェにある一室
ビジネスカフェにある一室



続いて、エーアンドピープル(有)代表取締役の浅野満知子氏による“まずはアメリカで修行、そして日本で企業!”をテーマとした講演が行なわれた。

浅野氏は日本で翻訳会社に6年間勤めたのち、インターンとして6ヶ月間渡米。帰国後の'98年秋に翻訳関係の会社エーアンドピープル(有)を起業し、現在代表取締役を務めている。

エーアンドピープル(有)代表取締役の浅野満知子氏
エーアンドピープル(有)代表取締役の浅野満知子氏



「日本で翻訳会社に勤めた後渡米。現地では、アメリカにある日系の企業に対して、インターネット上で掲載する人材募集の告知を行なっていました。ただ、アメリカでも日本の企業は不景気で、インターネット上で求人広告なんてなかなか出してもらえない。こちらが提案していかないと、何もしてもらえませんでした」

「アメリカで指摘されたことは、日本人は保守的で失敗しない方法を考えすぎるということ。アメリカ人は自由な発想、自己責任において挑戦するのです」

「6ヵ月間アメリカにいて、もうしばらく過ごしたいという後ろ髪をひかれながら、帰国しました。そしてアメリカでの経験を活かして、翻訳会社を設立。各国に翻訳者のネットワークと営業拠点を設けて、ビジネスを広げていくことが目標です」と述べた。

なお、6月にはビジネスカフェの設立グランドバーティーも予定されているという。ビジネスカフェの詳細は、神田敏晶氏より現地レポートが届く予定である。

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