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【Key Word Survey】『Pocket Board』にブレークの兆し

1998年08月11日 00時00分更新

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 インターネットをビジネスシーンで活用している人にいまさらインターネットメール(以下e-mailと略)の有効性を説いても、釈迦に説法だろう。

 しかし、e-mailは、その有効性の割には、その地味さゆえ、マスメディアなどで取り上げられる事が少なく、世間での認知は多いとはいえないようだ。

 そのe-mailが普及する兆しが見えている。

 普及の推進力となっているのが、NTTドコモとマスターネットが共同で展開している、携帯電話を中心としたe-mailサービス10円メールと、10円メール利用を中心に据えた一連のハードウェア群である。中でもテレビなどで盛んに宣伝がされている『Pocket Board』(以下ポケットボード) が売れている。 実際、筆者の近所のドコモショップでは、在庫がなく、今月末にならないと入荷しないという。

 ポケットボードの実売価格は1万円前後。それに5千円以下で販売されている1.5Gの携帯電話(シティフォン)を新たに購入したとしても、2万円以下でe-mail環境が構築できてしまう。

 ちなみにe-mail環境を構築するためには、パソコンとモデムの組み合わせなら10万円以上、PDAを使った場合でも5万円以上はかかってしまう、2万円以下で構築できるe-mail環境は画期的といえる。 但し、現在発売されているポケットボードはパステル調の色彩を使い半透明のボディーに丸みの強い形状で、明らかにポストポケベル世代の若い女性を対象にした商品である。

 そこには、若い女性達なら企業内でのe-mail経験からキーボードアレルギーもなく、ポケベル経験により文字によるコミュニケーションに対しての抵抗も少ないだろうとの「読み」が働き、商品が開発され、「読み」が当たり、「売れている」のだろう。

 今後、当然の事としてNTTドコモ以外の移動通信サービス会社、モバイル製品を作っているメーカーは、10円メール、ポケットボードに対抗するサービスや商品を投入してくる、そして選択できる商品の幅が広がれば、商品に興味を示す層も広がり、いままでe-mailに無関心、無縁であった人達もインターネットに参加してくるだろう。

 流行が若い女性から始まるという昨今の風潮がe-mailにも当てはまるのであれば、昨年来のモバイルブームと相乗し、e-mailによるコミュニケーションが大ブレークする可能性があり、目が離せない。

ををつか屋プロフィール

 海洋学、海洋物理学を学び、海洋計測器メーカーでハードウェア開発に従事し、広告代理店でデータベースマーケティングを行い、現在は独立し、コンピュータ関連の知識コンサルタントとして開業。その実態は、海と空と風を愛する気球乗り。

この記事は、「Focussed Series」からもアクセスできます。多彩な筆者の寄稿を収録中です。

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