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CESAが“違法中古ソフト撲滅キャンペーン”でシンポジウム開催

1998年03月20日 00時00分更新

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 “東京ゲームショウ'98春”で、ゲームソフトの知的所有権に関するシンポジウムが行なわれた。主催は、(社)コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会(CESA)、(社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)、(社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA)。この3団体は今年1月から6月までの予定で“違法中古ソフト撲滅キャンペーン”を実施中で、その活動の一環としてのシンポジウム。(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントが不公正取引の排除勧告を受けるなど、中古ソフト販売に対する注目が集まる中、一般や協会の会員など約135名が参加した。



 このキャンペーンで無許諾の中古ソフト販売を違法とする根拠は、ゲームソフトを“映画の著作物”と解釈するため。映画の著作物には販売やレンタルを著作者が制限できる頒布権があり、無許諾の中古ゲームソフトの販売を違法と主張している。しかし、動画を含まないゲームソフトなどは映画と言えるのかという議論や、アメリカなどでは“ファースト・セール・ドクトリン”(最初に合法的に販売された時点で著作権者が頒布を制限する権利は消尽する)が適用されていることもあり、中古ソフトの違法性については賛否両論がある。

 パネリストのひとり、文化庁著作権課の永山裕二課長補佐は、「WIPO(世界知的所有権機構)では映画に限らずすべての著作物に頒布権を認めるべきとしている。日本でもそれに基づいて、関係団体の意見を参考にしながら、著作権法の改正案を来年の通常国会に提出する予定」という。

 また中古品販売に見合った料金設定などで著作権者が資金を回収できる仕組みを検討していきたいという。

 「消費者が小学生などでおこづかいが限られているので、多様性があっていい。1回プレイすれば気が済むユーザーもいるから、1回しかプレイできないけど料金が安いとか、永久使用権と譲渡権がついていて料金が高いとか。また中身がわからないと商品の選択ができないので、時間制限つきのトライアル版を出すとか。いろいろ方法は考えられる」(静岡大学情報学部 赤尾晃一助教授)

 併せて行なわれた記者会見で、キャンペーンの成果などについて、「広報活動などを通じて、ユーザーや中古ソフト販売店側にも、中古ソフト販売は違法という認識は広がった。メーカーや流通、販売店などの意見を聞きながら、今後の中古品の扱いなどについて最善策を模索したい」(CESA 知的財産委員会 小林宏氏)と語った。(報道局 若名麻里)

http://www.cesa.or.jp/

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