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日本ビクターがデジタルカメラなど、“ポケットコミュニケーションツール”を発表

1998年02月27日 00時00分更新

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 日本ビクター(株)は、デジタルビデオカメラ『GR-DVY』、デジタルスチルカメラ『GC-S1』(愛称ZOOM10・ズーム10)、携帯ビデオプリンター『GV-HT1』(愛称Prit・プリット)の3製品を発表した。

 記者会見の冒頭、同社常務取締役の清水宏紀氏はあいさつの中で、「世界的に経済状況が厳しくなっている中、当社も先日の新聞発表にあったとおり、思わしくない状況です。世の中は“マルチメディア”全盛で、これに関係しなければ人にあらずというような風潮で、わが社でも基幹事業になっているAV商品に、マルチメディアの要素を取り入れ、“NewAV”と総称し力を入れております。AV商品全体に占めるNewAVの割合は、いまのところ16パーセント前後ですが、2000年には50パーセント以上にしたいと思っております。今回発表する3製品もそのひとつで、デジタルスチルカメラ市場には、初めて進出することになります」と述べた。

●ポケットコミュニケーションツール



 その3製品は、それぞれ“軽量・小型”を売りにしている。「パソコンとのデータのやりとりも可能な“ポケットコミュニケーションツール”を提案したい」と、スーツのポケットからプリンターを取り出して見せ、これらの製品にかける意気込みを見せた。従来はビデオの使い方というと、テレビに再生して見るのが一般的だったが、パソコンの普及とともにパソコンにデータを取り込んで加工することが多くなってきているという。

 「“ポケット”という語感は親しみやすいとともに手軽なイメージがあり、“いつでもどこでも誰にでも”映像によるコミュニケーションができるようになればと思っています」と、モバイル時代に合わせた戦略を打ち出した。また、ビデオプリンターは“カードサイズ”を印刷するものだが、「印刷したものを渡すだけでなく、その場で印刷して渡したりと、プリクラ文化の上に乗った“カードコミュニケーション文化”を創造できるのではないか」と期待を寄せていた。

●デジタルビデオカメラ



 2.5型TFT液晶付きデジタルビデオカメラ『GR-DVY』は、3月20日発売で価格は22万円。同社によれば、世界最小最軽量('98年2月現在、液晶付き)で、サイズは幅47×奥行き81×高さ135mm、重さは440g。液晶モニターかビューファインダーを開くと電源が入り、レンズカバーが開く仕組みになっている。前機種では、再生時にもレンズカバーが開いてしまったが、今回は改良し、開かないようになったという。ズームは光学10倍、デジタル100倍まで可能。

●デジタルスチルカメラ



 光学10倍ズームレンズ搭載のデジタルスチルカメラ『GC-S1』(愛称ZOOM10・ズーム10)は3月10日発売で、価格は7万9800円。サイズは幅129.4×奥行き39.4×高さ73.5mmで、重さは260g。“IrTran-P”に対応した赤外線データ通信機能により、ビデオプリンターにコードレスでデータ転送ができる。記憶媒体は内蔵フラッシュメモリーが4MB、コンパクトフラッシュカードにも対応。撮影枚数は、内蔵メモリー使用時でファインモードが最少30枚、スタンダードモードが最少50枚、エコノミーモードが最少100枚。記録画素数は640×480。1.8型のTFT液晶モニターで見ながら撮影する方式。電源は単3電池×4。光学10倍ズームと、業界最高の明かるさとうたうF1.6レンズが売りだという。

●ビデオプリンター



 世界最小最軽量('98年1月現在、カラービデオプリンター)というポケットビデオプリンター『GV-HT1』(愛称Prit・プリット)のサイズは、幅130×奥行き94.5×高さ36.5mmで重さは345g。約40枚プリントできるバッテリー(GR-DBYと共用可)を備えているので、どこへでも持っていってプリントできるという。印刷技術に“新・浸透溶融方式”を開発、多孔層の紙と組み合わせることで、保存性が高く、多階調で解像度が217dpi、しかも低消費電力の印刷が可能になったという。

 『GC-S1』とコードレスデータ通信を可能にする“IrTran-P”対応のIrDA Ver/1.0インターフェースのほか、PC入力端子とビデオ入力端子も装備している。プリントサイズは86×54mm。専用紙のみ対応で、標準紙20枚と20枚ぶんのインクがセットになった『PV-C12S8』が980円。そのほかシール紙、ホワイトテレカのセットなどもある。

 デジタルカメラとビデオプリンターの組み合わせは、携帯性にも優れ、これからのモバイル時代に適しているよう見える。ただ、デジタルスチルカメラは、光学式ファインダーがなく、液晶パネルの表示が実際より0.5秒ほど遅れるため、光学式ファインダーで撮り慣れた人にはちょっと使いにくいかも。プリンターは携帯性に優れているという点で便利だとは思うが、標準紙でも一枚約50円というのは割高感が否めない。担当者は「初めての商品ですし、これから普及すれば下がっていくと思います。プリクラ1枚300円に比べれば、お安いのでは」と言っていたが。(報道局 酒寄公子)

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