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ACCSが中古ゲームソフト問題を法的にさらに検討

1998年02月20日 00時00分更新

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 (社)コンピュータソフトウェア著作権協会は、平成9年度第2回通常総会を開催し、平成9年度の活動報告、平成10年度の役員と事業計画を発表した。

 主な事業計画は、以下のとおり。

・(社)日本音楽著作権協会(JASRAC)が管理する楽曲をゲームソフトなどで使用する場合の使用料に関するルール作りを進める。

・企業内のソフトウェアの不正コピーについて、「企業内不正使用対策本部」を設置する。民事訴訟を前提として、ソフトウェアメーカーと協力し調査体制を強化する。同本部の詳細は3月に発表。

・同協会のシンボルマーク“コピー禁止マーク”の普及キャンペーンを行なう。 引き続き著作権侵害に関する情報収集、調査、監視を行なう。アジア地域での日本のゲームソフトの海賊版問題にも取り組む。

 無許諾の中古ゲームソフト販売の問題については、法的な検討を進める。ここでキーになっているのは“頒布権”。頒布権は映画について著作権法で定めている権利で、売ったり、レンタルしたりする権利を著作権者が持つというもの。コンピューターゲームを映画に類似するものとして頒布権が適用できるかどうかで、法曹界、ゲーム業界などでさまざまな意見があり、同協会では、ゲームにも頒布権があるという立場をとっている。

 同時に開催された著作権講演会では、「実は著作権法の中で“映画”とは何かという定義はない。また映画の効果に類似するものは映画に含めるという規定がある」(同協会顧問弁護士 前田哲男氏)と、過去にビデオゲーム『パックマン』の映像の複製を使ったゲームソフトが映画の著作権侵害とされた判例や、ディズニー映画『101匹わんちゃん』のビデオカセットを日本に並行輸入した事件が頒布権の侵害にあたり、つまり販売後の流通にも頒布権が及ぶという判例があったと説明した。

 

顧問弁護士の前田哲男氏   文化庁の永山裕二氏顧問弁護士の前田哲男氏   文化庁の永山裕二氏



 文化庁では、「国際機関のWIPO(世界知的所有権機関)は'96年12月に採択した著作権条約で(映画に限らず)すべての著作権物に頒布権を入れるべきとしている。日本でもこれを批准するために近々頒布権に関する議論を文化庁で開始する予定。検討の過程ではこの協会の意見も取り入れていく」(同庁 文化部 著作権課 課長補佐 永山裕二氏)としている。(報道局 若名麻里)

問い合わせ:TEL.03-5976-5178

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