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【詳報】米インテル、3Dグラフィックアクセラレーターチップを発表

1998年02月13日 00時00分更新

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 米インテル社は3Dグラフィックアクセラレーターチップを『Intel740』と言う名称で2月12日(現地時間)に発表した。1万個ロット時の単価は34.75ドル。日本では同4500円。

 Intel740はビデオ機能、2D、3D機能を合わせ持つ、統合型グラフィックアクセラレーターチップ。PentiumIIプロセッサーと『Intel440LX AGPset』、AGP(Accelerated Graphics Port)コントローラー(2×モード)に最適化されており、同社が独自に開発した“ハイパーパイプライン3D(HyperPipelined 3D)アーキテクチャー”を採用している。ハイパーパイプライン3Dアーキテクチャーは、並列データ処理を行なうことで3D処理を高速化するPDP(Parallel Data Processing)、マッピングを行なう際精度の高い計算を行なうことで画質を向上させるPPI(Precise-Pixel Interpolation)、グラフィックボード上のメモリーだけでなく、システムメモリーも使用することで仮想的に画像処理を行なうDME(Direct Memory Execution)などが含まれている。

 フルスクリーンでのビデオ再生が可能で、1秒当たり24フレーム再生可能なソフトウェアDVD、ハードウェアDVD再生機能も搭載。ビデオキャプチャー、ビデオカンファレンスにも対応している。1600×1200ドットで256色、1024×768ドットで16万色の表示が可能。垂直同期周波数は70Hz~85Hzとなる。対応するAPIはDirectX 5.0、OpenGL、GDI。Windows95/98/NT4.0/NT5.0に対応。ビデオメモリーはSDRAM、SGRAMのいずれかを2~8MBまで搭載可能。

 サードパーティー、OEMメーカーにはすでに量産出荷が開始されており、現在、米STB Systems社の『LIGHTSPEED 740』、米Real 3D社の『StarFighter』、米Diamond Multimedia Systems社のAGP 2×グラフィックスアクセラレーターなどが発売を予定している。日本での発売は(株)カノープスが「現在検討中」、(株)アイ・オー・データ機器が「検討する予定はあるが、製品化するかどうかは未定」、(株)メルコが「現段階では未定」、コマツソフト(株)(Matrox製品販売)が「予定はない」としている。

 また、近いうちに台湾や韓国などのマザーボードメーカーから、『Intel740』をオンボードで搭載したマザーボードが登場するとの噂もある。すでに標準となりつつあるPentiumII+AGPsetにIntel740が加わることでより最適化されたPCチップセットが登場、マザーボードメーカーの最大手でもある米インテル社自身からも、同チップセットを搭載したマザーボードが発売されると見ていいだろう。ただ、これらがオンボードで搭載されるようになると困るのはグラフィックカードを作っているサードパーティー。コストパフォーマンスを上げる、付加価値を付けるなど、各社が独自の工夫を凝らさなければ、生存競争に敗れるメーカーが出てくることになるだろう。(報道局 市川美穂)

http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press98/740.htm

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