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“英国ビッグバンに学ぶ”と題し、Joseph De Feo氏が講演

1998年02月12日 00時00分更新

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 グローバル情報社会研究所(株)(GIS)が主催する“第9回GIS東京フォーラム”が開催された。英Barclays銀行で情報通信部門を担当し、現在は、英オープン・グループ社の社長兼CEOを勤めているJoseph De Feo氏が、“英国ビッグバンに学ぶ-ITシステムの準備は大丈夫か”と題する講演を行なった。



 同氏が社長兼CEOを努める英オープン・グループ社は、インターネット上でビジネスアプリケーションを安全かつ信頼して使えるようにするための技術や仕様、製品の収集などを行なう“It Dial Tone”を、世界の主要なパソコンのハード・ソフトのメーカーと協力して進めている企業である。

 「金融という、世界でもっとも規制されている産業が、インターネットというもっとも規制のない技術に遭遇している」

「これまでの金融機関は、間接部門、特に情報化投資に莫大な費用をかけてきた。そして、独自に構築したシステムを維持したり、新しくできたシステムを統合するために、さらに莫大な費用をかけてきた」

 「しかし、米シティバンク銀行や、コンサルティング会社の米Booz Allen&Hamilton社などが、金融分野におけるインターネットの利用に注目し始めている。たとえば、米国商業会議所は、今まで5万ドルかかった企業用の情報システムが、イントラネットなら2000ドルで済む、という報告を出しているように、間接部門の経費削減という面では、インターネットの技術は極めて有効だ」

 「インターネットは無規制が原則で、少ない規制が技術革新を一層加速させてきた。しかし、一般の人々は、“インターネットは信頼できない”と感じており、現状では、セキュリティー面で問題があることも、多くの人々が指摘している。しかし、こうした点もセキュリティーが万全なビジネスアプリケーションが普及すれば、解決されるだろう。そして、一度信頼を得られれば、金融やビジネスにおけるインターネット利用は爆発的に拡大するはずだ」

 「日本の金融機関のトップは、規制緩和や技術革新のような環境の変化に関しては高い関心を示すが、間接部門の経費については、あまり関心を示さないように感じられる。このままでは、日本の金融機関もイギリスと同じように、外資にすべて買収されてしまうだろう」

 「インターネットという新しい技術革新を迎えた状況の中で、日本はビッグバンという規制緩和を迎えつつある。この点が、イギリスのビッグバンと、日本のビッグバン最大の違いである。インターネットの技術や知恵を盛り込んだビッグバンを迎えれば、結果は吉と出るはずで、外資に買収されるという最悪のシナリオも回避されるだろう」

(報道局 佐藤和彦)

http://www.re-gis.com/index-j.html

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