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SCEのソフト価格拘束で公取委が審判開始を決定

1998年02月10日 00時00分更新

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 公正取引委員会は、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が排除勧告を応諾しなかったため、同社に対し審判の開始を9日決定した。第1回審判は3月13日に行なわれる。審判は同委員会の裁判に当たるもので、審決までには最短でも半年はかかるという。

 すでにASCII24でも報じたとおり、SCEが小売業者に対し、プレイステーションのソフトの販売価格の拘束や中古品の取扱いの制限などを行なったことに対し、1月20日、独占禁止法に基いて公取委が排除勧告を行なった。

 SCEでは勧告が出された翌日の1月21日夕方に公取委に非応諾書を提出しており、「この時点で審判になるのはわかっていたので、現時点で審判開始に対して新たなコメントはない。しかし審判をどう闘うか、今後のビジネスをどうしていくかについては、時間をかけて検討していく」(同社広報)

 また勧告がきっかけで、中古ソフト販売の合法性をめぐり、ソフト業界、弁護士団体などで議論が活発化している。

 (社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)、(社)コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会(CESA)などソフト協会3団体は、著作権法の頒布権を根拠に、動画などを含むゲームは映画の著作物に当たるとし、無許諾の中古ソフト販売は違法であるとしている。

 一方、弁護士ら26人(2月3日時点)で構成される中古ソフト問題研究会では、ゲームソフトは映画の著作物に相当せず、頒布権も無制限であるべきではないと反論(http://www.asahi-net.or.jp/~ZG2Y-FJT/copy_r/chuko.html)。同会の藤田康幸氏は「中古ソフトが違法だという主張には説得性がない。CESAが“違法中古ソフト撲滅キャンペーン”をやめるまで、まちがった見解が流布しないよう、活動を続けていく」と言う。

 これに対し、ACCS専務理事の久保田裕氏は「中古ソフト問題研究会は表面的な部分で頒布権の問題を語っていて、(中古ソフト販売の)合法説には積極的な理由がない」とコメントしている。

 SCEの審判の行方は中古ソフト販売の今後にも大きく影響を与えそうである。(報道局 若名麻里)

ASCII24関連ページ

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http://www.jftc.go.jp/(公正取引委員会)
http://www.scei.co.jp/(SCE)

(社)コンピュータソフトウェア著作権協会:TEL.03-5976-5178
中古ソフト問題研究会事務局:TEL.03-3221-7251

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