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日本オラクルがNT用クラスター製品のラインアップを追加

1998年01月29日 00時00分更新

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『Oracle FailSafe』の投入で、幅広いクラスターシステム構築をサポート

 日本オラクル(株)は、2ノードに対応するクラスター製品『Oracle FailSafe Release2.0』(OFS)を発表した。同製品は、『Microsoft WindowsNT Server Enterprise Edition』に標準搭載のクラスタリングをサポートするビルトイン・ソフトMicrosoft Cluster Serverに対応し、データベース管理システム『Oracle7 Server for WindowsNT Release7.3.4』および『Oracle7 Workgroup Server Release7.3.4』に無償で搭載される。価格は、Oracle7 Server for WindowsNTが、90万円から、Oracle7 Workgroup Serverが38万円から。

 同製品は、障害時の自動フェイルオーバーなどを行なうためのオプション。ふたつのノードをひとつのクラスターシステムと見なし、仮想IPアドレスを割り当てる。フェイルオーバー後もクライアント側がサーバーの物理的な位置を意識する必要はないという。また静的に負荷を分散させることによりクラスターシステム全体のスループットも向上するという。

 同社は'97年7月に4ノード対応のクラスター製品『Oracle Parallel Server Option for WindowsNT』(OPS)を発表しており、拡張性のあるデータベース環境をWindowsNTのプラットフォームで提供する製品として位置づけている。今後ますます高可用性、高い拡張性を求められるデータベース市場で、WindowsNTユーザーがUNIXサーバーにシステムを置き換えることなく、システムを拡張することが可能になったという。OFSは、ワークグループや部門レベル向けに位置づけられ、この2製品でローエンドからハイエンドまでのクラスター環境の構築が可能という。今後は、8ノード以上への対応も可能にしていきたいという。

 佐野力代表取締役社長は、競合製品の『Microsoft SQL Server,Enterprise Edition6.5』よりOFSが「1日早い出荷」と強調した。また'96年度のWindowsNT上のデータベースのマーケットシェアが39.3パーセントで1位(米Dataquest社調べ)、また「日本では60パーセントのシェアがある」と優位性を語った。

OPS用認定センター設立でオラクル対応製品開発の効率化を図る

 またOPS用の認定センター『Oracle WindowsNT Technology Center Japan Regiion』(NTTC-J)の設立も同時に発表した。同センターの開設は米国に続き世界で2番目。ハードウェアベンダーに対して、OPS用クラスター・ソフトの開発およびインプリメント用のOSD(Operating System Development)キットなどを配布するとともに、開発のサポートや動作確認を行ない、ハードウェアの認定作業を行なっていくという。

 現在OPS対応ベンダーは次の9社で、各社ともOFS対応製品を順次出荷予定。日本電気(株)、コンパックコンピュータ(株)、データ・ジェネラル・ジャパン(株)、デルコンピュータ(株)、(株)東芝、日本アイ・ビー・エム(株)、日本ディジタルイクイップメント(株)、(株)日立製作所、富士通(株)。

OPS対応ベンダーは現在9社OPS対応ベンダーは現在9社



 今回の発表に関するコメントとして、「(IBMの)すべてのオラクルユーザーにOFSを提案する」(IBM)、「OpenVMS、DIGITAL UNIX、WindowsNTそれぞれに対応するOPSがあり、OFSが追加されることで顧客に選択肢が広がった」(DEC)、「昨日は全社員で新生コンパックとしてのキックオフをやった。今年は明かるい年になりそうだ。今後エンタープライズ市場に焦点をしぼっていく」(コンパック)、「PCサーバーの『GSシリーズ』と、OPSにも対応する分散ノード連携ソフトウェア『DNCWARE』の組み合わせで、柔軟なシステム構築が可能。クラスター市場をオラクルとともに拡大したい」(東芝)。

 各社とも、PCサーバー市場でのクラスターシステムの需要の拡大が予測される中で、OSFの登場は顧客の選択肢を広げるとし、NTTC-Jの設立でオラクルとの協業体制が強化できると語った。(報道局 若名麻里)

http://www.oracle.co.jp/

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