仏Gemplus社の日本法人、日本ジェムプラス(株)は、非接触型ICカードや、Java
Card API2.0対応ICカード、環境保護にも適した『EarthCard』などを発表した。'98年春に発売する。
非接触型のICカードは、厚さ0.27mmの紙製と0.25mmのPET(プラスチック)製があり、ヨーロッパ標準のカード素材の強度に関する仕様“prEN753-1/3”に準拠するなど、耐久性に優れるとしている。コストパフォーマンスも高く、テレホンカードやプリペイドカードなどの使い捨てタイプのカードに応用できるという。
Java Card AP2.0対応ICカードは、32bitRISCプロセッサーを搭載。従来の8bitカードに比べ、約60倍の処理速度を持つなど、より複雑な処理ができるとし、クレジットカードの本人認証では指紋の照合まで可能になるという。JavaをICカード上で動作させる『Java
Card API VER.2.0』に準拠。Java言語を使用してアプリケーションの開発が行なえるほか、カードユーザーは通信回線などを通じ、1枚のカードに複数のアプリケーションをダウンロードすることで、目的に応じたカードの利用ができるようになる。
EarthCardは、英ICI社との共同開発によるポリエステル素材のカード。廃棄、消却した場合にも環境に優しいとしているほか、折り曲げや高温下での耐久性も持つなど、省資源性も実現。自動車や携帯電話、キャッシュカードなどへの応用が予定されている。
同時に、カードの発行と利用に関するサービスの提供拠点として“カード
パーソナライゼーション アンド データ センター(Card Personalization
and Data Center)”の設立を発表した。KDD社の“小山国際通信センター”内に設置され、カードの管理やエンコーディング、Javaアプレットの転送、すべてのクライアントに関する国際認証、顧客施設管理サービスなどを行なっていくという。同社では「ICカードやデジタルネットワークに関する国内インフラを構築するための第一歩」としている。(報道局 井上哲郎)
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