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「電子認証とは、“新しい”信用関係を創造すること」、慶應大でシンポジウム

1997年11月21日 00時00分更新

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 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスSFC研究所で“近未来のディジタル社会”と題したシンポジウムが行なわれた。中島洋教授(同研究所 政策・メディア研究科)を司会に、民間企業と同研究所員の6人のパネラーという構成。

 「サイバービジネスパークでは、オンラインショッピングで完全に安全性の確立された電子商取引を行なっているのは、現時点では2パーセント」(野村総合研究所 村上輝康氏)、「資本主義システムでエレクトロニック・コマースは絶対うまくいかない」(同研究所 奥出直人助教授)、「そんなことはない。今後、電子認証システムの確立などで、確実にパーセントは上がっていく」(村上)、「インターネット上でユニバーサルにクレジット(信用度)がひとつになってしまうというのは恐ろしい」(奥出)、「小さなコミュニティーで認証されて、複数コミュニティー間での相互認証のほうがよい」(同研究所 金子郁容教授)と、デジタル社会の新しいコミュニティーのあり方について議論された。

 同シンポジウムは、11月21、22日に開催された“SFCオープンリサーチフォーラム'97”のプログラムのひとつ。SFC研究所は、現在40のグループが産官学協力で最先端技術を研究し、学内には、次世代インターネットプロトコル、v6の研究発表や、電気自動車の展示なども行なわれた。相磯秀夫所長は、「今後は情報社会から、それをベースにした環境社会に移行する。まだ体力があるうちに、将来枯渇しつつあるエネルギーの問題や食糧問題に手を打つべき。またそれらを研究し、社会に還元するのがSFCの役割」と、基調講演でフォーラムの趣旨を述べた。(報道局 若名麻里)

http://www.kris.sfc.keio.ac.jp/ORF/

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