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【Linux Conference 2000 Fall】(その2 )

カーネル2.4の新機能 / オープンソースライセンス解説レポート

2000年11月29日 17時49分更新

文● 宮原徹

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み。です。Linux Conferenceも今回で4回目。今回は会場を京都に移しての開催となります。2年前に第1回が開催されたのも京都でした。

今回はPerl/Rubyカンファレンスも同時開催ということもあって、会場も2年前は1部屋だけだったのが、移動するのがたいへんなぐらいたくさんの部屋を使用する規模となり、いくつものセッションが開かれました。さすがに全部をフォローするのはたいへんなので、独断と偏見でチョイスしたセッションのレポートをお送りします。

Linuxカーネルv2.4新機能とその実現

高橋氏写真NEC情報システムズの高橋 裕和氏

Linux Japanにてカーネル2.4の解説を連載している、NEC情報システムズの高橋裕和氏による、カーネル2.4に関する解説を行なうセッション。 朝早くからの開催にもかかわらず、50人ほどの会場には立ち見が出るほどの盛況で新カーネルに対する関心の高さを伺わせた。

会場写真

内容としては、ハイエンドサーバ分野に向けた性能改善に関する話題を中心に、

  • マルチプロセッサ対応
  • ネットワークシステム
  • ファイルシステム
  • メモリ管理

など、技術的にかなり詳細な内容の解説が行なわれた。カーネル2.2ではアーキテクチャ上の制限などにより、高性能なハードウェアの性能を十分に発揮できていなかった面が多々あったが、カーネル2.4ではアーキテクチャの変更などによって改善されていることが、図解入りで分かりやすく解説されていた。

今のところカーネル2.4はテストリリース段階で、なかなか正式リリースとならないために技術的な情報が一般化していない面がある。正式リリースによって、このような技術情報が、より多くのユーザーによる具体的な動作検証と合わせて共有されるようになることを望みたい。

オープンソースライセンスについての解説

GNU Projectのメンバーである八田真行氏による、GPLをはじめとしたオープンソースソフトウェアに関する解説を行なうセッション。

八田氏写真
八田真行氏
まず最初にソフトウェアに関する著作権法についての説明から始まる、本格的な解説となった。解説の中で、オープンソースライセンスの特徴として、「無保証である」ことが挙げられた。確かに事実ではあるが、現実には商用ソフトウェアもそのライセンス、使用権許諾を熟読すれば分かるとおり、やはり無保証である。

ただ、オープンソースに対する世間一般的な捉えられ方として、やはり「オープンソースのライセンスを採用しているソフトウェアは無保証であり安心できない」というイメージがある。このあたりをきちんと払拭して改めていくことが今後のオープンソース普及のポイントになるのではないだろうか?

講師の八田氏はいくつかのオープンソースライセンスに関するドキュメントの翻訳なども手がけているが、まだ学生ということである。今回の発表についても、自身で独自に調べられて非常によくまとまった内容であり、今後の活動に期待したい。



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