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Eric Raymond、執筆中の書籍「The Art Of Unix Programming」のドラフト第2章を公開

2000年09月29日 16時09分更新

文● 植山 類

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 Eric S. Raymond氏は9月28日、現在執筆中の書籍「The Art Of Unix Programming」のドラフト第2章をWebで公開した。この本では、現在のUnixコミュニティの持つ、いままでにない「グルからグルに口伝えにされていた」技術知識や哲学を捉えるという。

 Eric Raymond氏は以前から、ハッカーのスラング辞典「Jargon file」やメール受信プログラムfetchmailの作者として知られていたが、彼が一気に有名になったのは、オープンソース開発モデルを鋭く分析した論文「伽藍とバザール」(The Cathedral and the Bazaar)を発表してからだ。

 そのあとEric Raymondは 、オープンソースソフトの所有権とコントロールをめぐる実際の慣習を贈与文化として分析した「ノウアスフィアの開墾」(Homesteading the Noosphere)、オープンソースへの対抗策を論じたMicrosoft内部文書にコメントした「ハロウィーン文書」(The Halloween Documents)などで、オープンソース界のスポークスマンとしての地位を確立した。

 The Art Of Unix Programmingのドラフトは、目次と序文、第1章、第2章が公開されている。第1章では、UNIXが人気を得るに到った理由を、インターネットの広がりやハックの楽しさ、そして「KEEP IT SIMPLE, STUPID!」といった言葉で説明している。今回公開された第2章「On Not Reinventing the Wheel」では、オープンソースの利点とオープンソースライセンスについて解説している。

 目次では12章までが予定に入っており、C言語とそのほかの言語の選択基準やプログラムの移植性、テキスト形式の人間に可読なプロトコルの利点などを執筆するという。

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