ターボリナックス ジャパン(株)(以下ターボリナックス)は、8月22日ダイヤモンドホテル(東京都千代田区一番町25番地)で「Turbo Linux月例ソリューション戦略セミナー」を開催した。このセミナーは月1回の予定で行なわれ、先月から始まったもの。2回目となる今回は、ターボリナックスの業務内容および製品紹介が行なわれた。後半はLinux上のオフィススイートについての紹介をサン・マイクロシステムズ(株)、(株)メディアヴィジョン、米VistaSource、(株)ジャストシステム、(株)アトラクスが行なった。
日刊アスキーLinuxでは、後半のLinux上のオフィススイート紹介を数回にわけてレポートしている。最終回は(株)ジャストシステムの「Java、XMLに標準を合わせたArk Architecture Softwareのご紹介」というテーマの発表の模様を紹介したい。
ジャストシステム営業企画室鈴木研祠氏の講演
Ark Architectureとは
Ark Architectureとは、Javaをベースとした、機能拡張用のアーキテクチャ。Java、XMLプロセッサ、DOM(Document Object Model)エンジン、XLinkエンジンなどから成る。
この、アーキテクチャを使うことにより、開発者はオープンな規格にのっとった形のプラグインプログラムの開発が可能となっている。
壇上にはジャストシステム営業企画室の鈴木研祠氏が立った。まず最初に、Ark Architectureの基本方針としては、本体プログラムをPureJavaで作成し、インターネット上で配信させるデータををW3C基準に対応させるといったものだという。
また、開発ビジョンは、スタンドアロンからWebやネットワーク環境、組み込み機器に対応させることや、オープンアーキテクチャにより、開発者やサードパーティによって、ユーザーの幅広いニーズや、利用目的に合ったプラグインソフトが開発しやすい環境を作ることだと語った。
表計算ソフト「Choco」の特徴
次に同氏は、表計算ソフト「Choco」の説明をした。このChocoは、一太郎Ark for Javaと同様にJavaで記述されたアプリケーション。コンパクトなサイズ(Choco本体のデータ容量は1MB強)、プラグインによる機能拡張が可能であり、マルチリンガルといった特徴も一太郎Ark for Javaと同様とのこと。そして、Chocoの最大の特徴は、XML(eXtensible Markup Language)とCSS2(Cascading Style Sheets Level 2)によりスプレッドシートデータを表現している点であるという。このため、ファイルのメンテナンス性に優れており、再利用も簡単に行なうことができるようになっている。
Chocoの機能
機能的には、標準で関数セットが約100個(標準以外は必要に応じて追加、ユーザー定義関数も可能)、検索やソート、グラフ機能など、表計算ソフトとして必要十分な機能が提供される。Excelファイルや三四郎、ロータス 1-2-3なども取り扱うことができるため、これまで作成した資産を有効利用することもできるとのこと。その他の特徴としては、
- 100%PureJava(認定取得中)
- 内部処理をXMLとDTD(Document Type Definition)で実装
- 標準出力はXHTML(The Extensible Hypertext Markup Language)
といったものがある。
プレゼンテーションソフト「Muffin」の紹介
さらに同氏は、プレゼンテーションソフト「Muffin」の説明をした。このMuffinで作成したプレゼンテーション資料は、標準的なHTML、XHTML文書になるので、使用しているWebブラウザでプレゼンテーションを行なうことができるとのこと。そのほか、
- 100%PureJava(認定取得中)
- DOMインターフェイスを実装
- PowerPointファイルの読み込み対応
- 標準出力XHTML+CSS+Javascript
- プラグイン方式での機能拡張
- クリップアートデータもXML形式
といった特徴も持つ。
ATOK X for Linux
講演の最後には、9月8日発売のATOK X for Linuxについて
- 発売日:9月8日 金曜日
- 標準価格:9800円
- 優遇販売:ATOK12 SEの登録ユーザー優待価格 6000円
- 「I Love Linux」キャンペーン実施中:(http://www.justsystem.co.jp/atokx)
といった点を紹介し、終了となった。