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スクープ! 初公開 これがKylixだ

2000年08月26日 00時00分更新

文● 吉川

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 米Inpriseが開発を進める「Kylix」は、Linux上で動作するC、C++、Delphi用ビジュアル開発環境のコードネームだ。Kylixはまた、GUI部分にノルウェイのTrolltechが提供するGUIツールキット「Qt」が使用されている点も話題になった。日刊アスキー Linuxでは、Inpriseの日本法人であるインプライズ(株)のRADツール事業部 大野元久氏に、Kylixについてのお話を聞くことができた。その中で大野氏は、「米国で発表されている以上のことはお話できないが……」としながらも、Kylixについての周辺情報を語ってくれた(詳しくは別途インタビュー記事として掲載予定)。

製品出荷スケジュール未定段階での情報開示

 大野氏によると、Kylixの情報公開はInpriseとしては異例のことだという。Kylixの開発がスタートしたという情報は、まだ製品出荷予定が未定の段階で開示されたわけだが、通常Inpriseはこうしたことは行なわない。Inpriseの情報公開スタンスは、「モノ(製品)を提供できる段階になって初めて製品情報を公開する」というもの。つまり、製品がなにもないうちは、先走ったアナウンスはしないわけだ。ところがKylixの場合は、そのインパクトがあまりにも大きく、Inpriseが公式アナウンスをしないと混乱をきたすと考えられた。そこで、米国での情報公開となったという。

Kylixへの期待度は?

 Kylixについて注目が集まっているのは確かだが、実際の開発者たちはどうなのだろうか。UNIX系の開発者は、エディタによる開発スタイルをとり続けてきている。彼らにとってビジュアル開発環境というものが受け入れられるのか? と問うと、大野氏は、「エディタによる開発を否定する気はない」と前置きしながらも、「ビジュアル開発環境の利便性も、理解されるだろう」と語った。もっとも、現在のLinuxの情勢から考えると、Windows系のスキルを持つ開発者や、これから開発者になろうという人の参入も多いと思われる。Kylixは、こうした人々に対してLinuxアプリケーション開発の幅広い門戸を開いていくことになりそうだ。では、次ページで、実際のKylixの画面を見ていただこう。

 日刊アスキー Linuxでは、2000年8月28日から9月1日まで、Kylixについてのアンケートを実施しております。Kylixにご興味のある方は、ぜひご回答ください。抽選で10名の方に、1000円分の図書券をプレゼントいたします。

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