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米Eazel、「次世代のユーザーインターフェイス」をLinuxに

2000年02月22日 00時00分更新

文● 沖中 弘史

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 米Appleと米America Onlineの元在籍者が、使いやすいLinuxを提供するために、新たな会社を設立した。

 新会社名は「Eazel」。CEOは、Mike Boich。彼は、米Appleの元在籍者で、初期Macintoshのプロジェクトに関わっていた。同社には、そのほかにも、初代Macintoshの開発メンバーで、システムソフトウェアの多くを開発したAndy Hertzfeldや、米America Onlineで、Senior Vice Presidentだった、Mike Homerなどが在籍している。

 同社では、Linuxに「次世代のユーザーインターフェイス」をもたらすとしており、現在、GNOMEの環境をベースに、「Nautilus」と呼ばれるファイルマネージャーを開発している。現在同社のWebページからは、あまり情報は得られないが、「Nautilus」の開発更新情報を見ることが可能。

 また、同社が開発したソフトウェアのライセンスを、オープンソースライセンスの1つである、GPL(GNU GENERAL PUBLIC LICENSE)とすることを表明している。

 Linuxの話ではないのだが、UNIX環境と使いやすいGUIの共存という意味では、米Appleの「MacOS X」がある。同製品は、米Appleが買収した米NeXT Softwareの「OPENSTEP」上に、「MacOS」のGUIを組み込んだもので、2000年中の出荷が予定されている。米Appleは、「MacOS X」の開発において、Linuxと同じくオープンソース(フリー)のPC-UNIXである「FreeBSD」からの新機能の導入を表明するなど、オープンソースムーブメントへの接近を見せている。

 また、カナダCorelの「Corel LINUX OS」や、米Caldera Systemsの「Open Linux」など、エンドユーザー向けに、独自のGUIを付加して使いやすくしたディストリビューションは増えて来ており、このような状況の中で、GUIの黎明期を作り上げたともいえる初期Macintoshのシステムを作成した開発者がかかわる「Eazel」が、どのような回答を出してくるのか、目の離せない状況といえる。

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